まだまだ止まらん! ホワイトソックスの村上宗隆内野手(26)が31日(日本時間1日)の敵地レイズ戦で、2試合ぶりとなる24号2ランをかっ飛ばした。右太もも裏の肉離れで1か月超の離脱はあったものの、和製大砲の破壊力は健在。MLB移籍前、最大の弱点と指摘されまくった剛速球に苦戦するどころか、実は誰もよりも対応できる〝速球キラー〟に大変身していた。

 村上のバットが再び火を噴いた。トロピカーナ・フィールドがどよめきに包まれたのは、2点リードの3回一死一塁で迎えた第2打席だった。「2番・一塁」で先発出場した村上は、相手先発右腕・マルティネスにカウント3―1からやや外角低めに投じられたチェンジアップを一閃。強振せずに振り抜かれた打球は反対方向の左中間席に飛び込み、悠然とダイヤモンドを一周した。

 この時点で岡本(ブルージェイズ)が持つメジャー1年目の日本選手の最多本塁打記録に並び、自身の連続安打記録も8試合に伸ばした。

 圧倒的な打力で昨季まで3年連続で100敗以上を喫したホワイトソックスは、今やア・リーグ中地区で堂々の首位。〝最弱球団〟をよみがえらせた立役者が村上であることは疑いようもなく、今季のMLBを象徴する番狂わせとして衝撃を与えた。

 その村上の最大の課題として挙げられてきたのが、日本球界とは比較にならないほど高速化が進んだメジャーの投手に対応できるかどうかだった。短いイニングで全力投球するリリーフ投手ともなれば、100マイル(約161キロ)超えは当たり前。そうした懸念から獲得を見送る球団も現れ、2年総額3400万ドル(約54億円)という小規模な契約に落ち着いたとされている。

 ところが、実際は目も慣れていない速球が村上には〝大好物〟だったようだ。「MLB公式サイト」が29日(同30日)に伝えたところでは、今季のフォーシームの平均球速はおよそ95マイル(約153キロ)。それよりも速い97マイル(約156キロ)以上の速球を30打席以上投げ込まれた打者144人の中で、村上はOPS1・249を記録して何とメジャー1位だったという。

 しかも、米球界屈指の強打者であるアルバレス(アストロズ)、ソト(メッツ)を抑えた上でのトップで「これを見れば十分だろう。彼は『ナンバーワン』の赤信号を、最も鮮やかな緑の信号に変えたのだ」と見事な逆転劇を伝えた。同様に「最高長打率」の7割9分2厘も1位で「村上は速球を単にバットに当てるだけでなく、それを打ち返して本塁打にする能力を持ち、メジャー1年目の成功をけん引した最大の要因の一つとなっている」と賛辞を並べていた。

 自身の弱みを短期間で強みに変えていた村上の対応力には、獲得を見送った球団幹部からすでに後悔の声も上がった。同サイトは「メジャーデビューからシーズンの半分が経過した今、現実は正反対となっている。村上は速球を粉砕している。ホワイトソックスにセンセーションを巻き起こしているこの新人は、速球に対するリーグ屈指の打者と言っても過言ではないだろう」とまで論じていた。

 この一発で村上は直近の6試合で4発と量産態勢。令和初の3冠王の快進撃は終わらない。