正論のつもりが、自らに深々と突き刺さった。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は30日(日本時間31日)、マリナーズのカル・ローリー捕手(29)がトレード期限を前に発した言葉を取り上げ、低迷する主力組に「隠れる場所はなくなった」と辛らつに論じた。
ローリーは30日のドジャース戦前にMLB公式サイト「MLB.com」の取材に応じ、現有戦力について「今のままでも本当にいいチームだと思う」と強調。その上で「何が起ころうとも、最終的にこのチームがどこへ向かうかを決めるのは、ここにいる中心メンバーたちだ」と語った。
補強頼みではなく、自分たちの力で浮上するという責任感の表れには違いない。だが、現状を照らせば発言は完全な「ブーメラン」だ。マリナーズは30日のドジャース戦にも2―6で敗れ、同日終了時点で53勝57敗。ア・リーグ西地区3位で首位レンジャーズと2・5ゲーム差、ワイルドカード圏にも3ゲーム差と、世界一候補と見られた開幕前の期待を大きく裏切っている。
何より、その低空飛行の象徴がローリー自身だ。昨季は159試合で打率2割4分7厘、MLB最多の60本塁打、125打点、OPS0・948をマーク。ア・リーグの本塁打、打点2冠に輝き、捕手、スイッチヒッター、マリナーズのシーズン本塁打記録をことごとく塗り替えた。ところが今季は30日現在、263打数43安打の打率1割6分4厘、11本塁打、36打点。出塁率2割6分9厘、長打率3割7厘、OPS0・576で、三振は107に達している。右脇腹痛による約1か月の離脱を差し引いても、昨季の本塁打王とは思えない急降下だ。
チームも28日のドジャース戦では今季最多の5本塁打で7―6と競り勝ちながら、翌29日は打線が沈黙して2―4で敗戦。30日も2得点に終わり、勢いを持続できなかった。「ON SI」が指摘した通り「好投を何度も無駄にし、希望を抱かせる勝利の直後に元通りとなる不安定さ」こそ、今季のマリナーズそのものだ。
もちろんジェリー・ディポト編成本部長には右打者と救援投手を加える責任がある。ただ、ローリーが言う「中心メンバーたち」が不振の元凶である以上、新戦力だけで根本問題が解決するはずもない。補強が不発でも言い訳はできず、主力は結果を出すしかなくなった。
リーダーらしい言葉で仲間を鼓舞したはずが、自身を含む主力組への最後通告に変わった〝ローリー発言〟。言葉通りなら、真っ先に数字で証明すべきは昨季の本塁打王当人のはずだ。












