巨人は7日のロッテ戦(東京ドーム)で2試合連続となる延長12回の末に2―2で引き分け。4時間に迫る熱戦となったが、白星を手にすることはできなかった。

 この日「5番・三塁」で4試合ぶりにスタメン出場した坂本勇人内野手(37)は、豊富な経験を感じさせる〝頭脳プレー〟を見せた。1点リードの5回一死一塁の守備で相手の犠打が小飛球となると、坂本はあえてワンバウンドで捕球。一塁走者・友杉に進塁義務を生じさせた上で一塁に送球した。

散髪してロッテ戦に先発した西舘勇陽。右は5月30日の日本ハム戦
散髪してロッテ戦に先発した西舘勇陽。右は5月30日の日本ハム戦

 だが、一塁手のダルベックは先に一塁ベースを踏んでから帰塁した友杉にタッチしたため、打者走者だけがアウト。ダルベックが一塁付近にいた友杉にタッチしてからベースを踏めば併殺で攻守交代となっていたが、ピンチが続いて同点に追いつかれた。

 坂本の〝野球IQ〟の高さを勝利に結びつけられなかったものの、経験に裏打ちされた判断力だけでなく、巨人ひと筋20年目ならではの〝伝統継承者〟としての一面ものぞかせている。

 この日先発した西舘は長めのストレートヘアがトレードマーク。前回登板した5月30日の日本ハム戦(エスコン)では伸びた前髪が帽子からはみ出し、顔にかかるほどだった。これを見逃さなかったのが坂本だ。イニング間に帽子の中に髪をしまうジェスチャーを見せて後輩の身だしなみに目を配り「前髪、邪魔そうやなあ!」と冗談めかして声を掛けていた。

 当の西舘は「切るのが面倒くさいというのが一番の理由。予約して、外に出てっていうのがどうも…」と散髪をつい後回しにしがちだというが「伸びていることには気づいていたんですけど、坂本さんと杉さん(杉内コーチ)に言われたのでさすがに切ろうと思って」とサッパリとした髪形で2度目の登板に臨んだ。

「巨人軍は紳士たれ」のもと、選手たちには現在も一定の規律が求められる。その伝統を現役では誰よりも長く受け継いできた坂本は、さながら〝風紀委員長〟のようだ。

 さらに、西舘は「(坂本が)ストレッチを投手陣のいる外野側ですることがあって投手陣と話す機会をつくっています。本当に気を使って周りを見ているんだなと思います」と感謝。背番号6の存在感は、交流戦7勝3敗2分けと好調のチームの随所ににじんでいる。