百戦錬磨の「マッド・マックス」に、王者ドジャースへの電撃帰還シナリオが浮上してきた。米メディア「ヘビー」は23日(日本時間24日)、低迷するブルージェイズで故障者リスト(IL)入りしているマックス・シャーザー投手(41)が、トロントで8月3日(同4日)のトレード期限を前に去就について注目発言を残したと伝えた。

 27日に42歳となる大ベテランは、サイ・ヤング賞3度、ワールドシリーズ制覇2度を誇る球界屈指の剛腕だが、今季は6試合に先発して1勝4敗、防御率10・23。わずか22回を投げたにとどまり、bWARもマイナス1・0と、決して芳しいシーズンとは言えない。

 シャーザーは背中のけいれんにより6月14日(同15日)付でIL入り。オールスター休暇中には右手親指へ3度の注射を受け、復帰への歩みも一時止まった。それでも22日(同23日)、傘下3Aバッファローでのリハビリ登板では5回を無安打無失点、7奪三振。56球のうち40球をストライクとし、復調を強烈に印象付けた。

 一方、ブルージェイズは23日(同24日)のレイズ戦に3―1で勝って4連敗を止めたものの、47勝56敗でア・リーグ東地区最下位。ワイルドカード圏までは6ゲーム差があり、間に5球団がひしめく。期限を前に「売り手」へ回るとの見方が強まり、復帰間近のシャーザーも優勝を狙う球団にとって、先発陣の層とポストシーズン経験を同時に補えるトレード要員として注視されている。

 ただし、シャーザーは全球団へのトレード拒否権を持ち、移籍には本人の同意が不可欠だ。ブルージェイズを離れるため拒否権を放棄する意思があるかと問われると「私から言うことは何もない。私たちにはやるべき仕事がある。今日は1勝0敗でなければならない」と回答。期限を過ぎて結論が出た段階で、必要な話をすればいいとの考えも示した。目の前の勝利に集中する姿勢を強調しながら、残留を明言せず、移籍も否定しない。まさに玉虫色の言葉だった。

 同メディアは移籍候補としてブルワーズを挙げたほか、レンジャーズ、ナショナルズ、さらにはドジャースという古巣へ舞い戻る可能性があると言及している。中でもドジャースでは2021年途中に加入し、11試合で7勝0敗、防御率1・98と圧巻の成績を残した実績がある。ここまで今夏のFA市場で目玉とされてきたスクバル(タイガース)らとは異なり、今季のシャーザーは保証額300万ドル(約4億9000万円)の低コスト契約で、獲得側の金銭的な負担も大きくない。

 もちろん、今季の成績と故障歴を踏まえれば、全盛期と同等の働きを期待するのは酷だ。それでも短期決戦を知り尽くした闘争心と経験は、ナ・リーグ西地区首位を走るドジャースを含む優勝候補にとって魅力となり得る。「1勝0敗」に徹する大投手の言外には、ロサンゼルスへの再上陸も含む最後の大勝負がにじんでいる。