バチカンが動くのか――。ホワイトソックスの村上宗隆内野手(26)が5日(日本時間6日)の本拠地シカゴでのツインズ戦で、30号2ランをぶっ放した。和製大砲の加入により、MLB屈指の弱小球団は今や地区首位に君臨。そのホワイトソックスの熱狂的ファンとして一部で知られるのがローマ教皇(レオ14世)だ。日本からやって来た救世主に感謝を伝えるべく、歴史的な対面を果たす可能性もささやかれている。

教皇帽を手にほほ笑むレオ14世(右)(ホワイトソックス公式Xから)
教皇帽を手にほほ笑むレオ14世(右)(ホワイトソックス公式Xから)

 村上様がまた快挙だ。初回一死一塁で迎えた第1打席で相手先発右腕・ブラッドリーが投じたスプリットを一閃。打球は反対方向の左翼フェンス後方のブルペンに落ち、球場内は大歓声に包まれた。

 シーズン30発に到達した日本選手は松井秀喜、大谷翔平、鈴木誠也に続いて4人目。メジャー1年目では史上初めてだ。29号が飛び出したのは8月18日(同19日)のカブス戦。それ以降は足踏みが続いていたが、実に17試合ぶりの一発に村上の笑顔がはじけた。

 とはいえ、日本球界で令和初の3冠王、日本選手歴代最多の56本塁打を記録した村上のゴールはまだ先にある。「僕にとっては通過点というか、まだまだ26歳ですし。もっともっと高い目標を持って野球をやらないと」。呪縛から解放され、一気の量産態勢に入っても不思議ではない。

 チームは昨季まで3年連続で100敗以上を記録。近年は優勝争いと無縁のシーズンを送り続け、9月は次シーズンを見据えた消化試合と化していた。しかし、今季は違う。ア・リーグ中地区の首位に立ち、この日終了時で2位のガーディアンズに2・5ゲーム差。開幕直後ならまだしも142試合を終えても好位置につけていることが、決してマグレではないことを物語っている。

 それだけに、球界関係者の間では「ひょっとすれば、本当にあるかもしれない」とローマ教皇と村上の対面が実現するのではないかと言われている。

 そもそも「最弱球団」のレッテルを貼られるホワイトソックスと、日本を代表する強打者の村上が契約するとは誰も思っていなかった。しかし、昨年12月下旬に合意に達すると誰よりも仰天したのが地元のファンたちだった。この珍現象に英紙「デーリー・メール」も「ある意味で当然だ」と取り上げたほどで、ファンはSNSに「シカゴ出身の教皇様が奇跡を起こしていらっしゃる」などとレオ14世への感謝もつづっていた。

 レオ14世はフランシスコ教皇が2025年4月に死去したことを受け、教皇選挙「コンクラーベ」を経て選出。米国出身では初のローマ教皇で「14億人」とも言われるカトリック信者のトップに立った。ただ、ホワイトソックスへの愛情は不変だ。05年にワールドシリーズに進出した際、球場に一人のファンとして応援に駆けつけていた姿が目撃された。教皇となった昨年6月の一般謁見で「SOX」の文字が入ったチームの帽子をかぶった姿が拡散され、MLBファンに衝撃を与えていた。

 そして球団側も今年8月11日(同12日)の本拠地レッズ戦で黒と金色の「教皇帽」を約4万個も配布。本塁打を放ったドイルがベンチでかぶるなど浅からぬ結びつきを見せつけた。さらに、地元紙「シカゴ・サン・タイムズ」が報じたところによれば、同戦をレオ14世がテレビ観戦し、球団から特注の帽子も“本家”に贈られた。しかも、試合の翌日に下院議員がレオ14世と対面したところ、延長10回の末に敗れたことも把握し「2人で笑いながら語り合った」そうだ。

 先代のフランシスコ教皇は同じアルゼンチン出身でサッカー界のスーパースター、リオネル・メッシの大ファンで13年8月にバチカンで対面したが…。村上にも“世紀の招待状”が届くかもしれない。