日本ハム・新庄剛志監督(54)が18日、西武戦(エスコン)前に漏らした「ブラックジョーク」がチーム周辺で話題をさらっている。

 指揮官はこの日、デーゲームに臨む全体練習中の午前11時過ぎに、ベンチ裏から真っ白なパーカーを身にまとい登場。そのまま普段通りグラウンドに向かうと思いきや、おもむろに一塁側カメラマン席前に陣取る記者の方へ歩み寄り、こう話し始めた。

「20年前の今日、オレ、引退発表して日本一になったから。今日、引退発表しよっかな。そうしたら…日本一になれるでしょ(笑い)」

 わずか30秒足らずの出来事だったが、あまりに突然の爆弾発言に、周りにいた記者らは呆然。その姿を見て驚いたのか、指揮官は即座に「冗談ですよ」と一笑。再び向きを変え、グラウンド内で練習に励むナインのもとに歩き始めたのだった。

 新庄監督は現役時代の06年4月18日のオリックス戦(東京ドーム)で2回に2号ソロを放った後、広報から報道陣に送られるコメント内で電撃引退を発表。周囲の度肝を抜いた。そんな「前例」があるからだろう。発言直後から報道陣の間では「冗談? いや、実は本心では?」などと臆測が飛び交う事態に陥り、一時は球団関係者やスタッフにも動揺が広がるほどだった。

 もちろん、この衝撃発言。ただの冗談にすぎなかったのだが、新庄監督が現役引退の話題をあえてこのタイミングで漏らした裏には、チーム発奮への思いも見え隠れする。

 日本ハムは今季、若手の成長と昨季最多勝に輝いた有原の古巣復帰などで投打共に戦力が充実。シーズン前からリーグ優勝候補に挙げられていた。

 だが、開幕カードでソフトバンクに3連敗。その後は一時巻き返したものの、この日試合前までの直近6試合は守備の乱れや投手陣の不調もあり1勝5敗と苦戦を強いられていた。まだシーズン序盤で焦る必要はないが、指揮官としてはこの辺りで重い空気を一掃したかったのかもしれない。

 その甲斐あってか日本ハムは18日の西武戦で苦しみながらも逆転勝ち。連敗を「3」でストップした。新庄監督は試合後、自身の発言に関し改めて「あるわけないじゃん。大丈夫、大丈夫」と笑顔で否定。その上で「懐かしいなと思ってね。『そういえば今日だったんだ。もう20年たつんだ、と思って。えっ、あの発言で周囲がピりついた? あ、そう」と他人事のように爆笑していたが…。

 自身の発言を含め、全てをチームの好転に結びつけるのが新庄流。今回の衝撃発言も、どうやらチームの連敗ストップに一役買ったようだ。