名門の心臓部を失ったヤンキースが、早くも次の一手を探り始めた。球団側は絶対的主砲のアーロン・ジャッジ外野手(34)が4日(日本時間5日)に右脇腹の第一肋骨疲労骨折と診断され、4~6週間後に再検査を受けると発表した。復帰時期が決まるのはその先。10日間の負傷者リスト(IL)入りだけで済む保証はなく、長期離脱は避けられない危機的な情勢となった。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、ジャッジ離脱を受けてヤンキースが外野手補強を迫られていると指摘。内部昇格と外部補強の両面で代役候補を列挙した。4日(同5日)のガーディアンズ戦(ヤンキースタジアム)には2―1で競り勝ち、37勝25敗でア・リーグ東地区首位こそ守ったが、2位レイズとはわずか0・5ゲーム差。もはや余裕はない。
まず内部昇格でしのぐとすれば、有力候補はスペンサー・ジョーンズ外野手(25)だ。今季はマイナーで43試合に出場し、13本塁打。すでにメジャーでも10試合を経験しており、同メディアは「じっくりチャンスを与えるべき時だ」と位置付けた。ジェイソン・ドミンゲス外野手(23)の復帰も待たれるが、現在はIL入り中。今週末にもマイナーでのリハビリ出場を始める見込みとはいえ、即効薬とまでは言い切れない。
そこで不気味に浮上するのが外部勢だ。カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(28)は、昨オフもトレード候補に挙がった存在。かかとの手術明けで実現性は高くないものの、復帰後の状態次第では「夢のような補強」となる可能性がある。2023年3月開催の第5回WBCでは侍ジャパンの一員となったことでも広く認知される勝負強さと出塁能力は、圧力を失った打線に違う色を足す。
そしてオリオールズのテイラー・ウォード外野手(32)だ。昨季36本塁打を放った長打力は本物。今季は2本塁打と鳴りを潜めているが、同地区ライバルからの強奪に踏み切れば、ヤンキースの危機感を示す一手になる。もちろん実現のハードルは高い。それでも「まさにヤンキースが必要としているタイプ」と評されるだけに、名前が出るだけで市場はざわつく。
ジャッジの不在は、単なる1枠の穴ではない。相手投手に恐怖を与え、打線全体の空気を変える存在を失ったということだ。内部育成でしのぐのか、ヌートバーやウォード級に踏み込むのか。名門の6月は、早くもトレード期限前の綱渡りに突入した。














