昨季まで3年連続でBクラスに低迷した西武が大躍進中だ。23日の日本ハム戦(ベルーナ)は2―11で大敗したが、首位のソフトバンクと4・5ゲーム差の2位。前半戦をAクラスで折り返すこともすでに確定させている。

 その立役者の一人として今季から加入したアレクサンダー・カナリオ外野手(26)が渋い働きで打線を支えている。昨季はパイレーツでプレーし、走攻守の三拍子がそろった助っ人は新天地でも右翼の定位置をつかみ、ここまで85試合に出場。打率2割5分2厘ながら、規定打席に到達しているパ・リーグの外国人選手は首位打者のレイエス(日本ハム)とカナリオの2人だけだ。

 しかもカナリオの希少性は「超」が付くほどのユーティリティーぶりにもある。仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチが「(打順の)どこでも入れるし、すごく真面目で、こちらが言ったことを忠実にやってくれる選手」と評するように、カナリオは1番から9番まですべての打順で起用されているのだ。

 さらに、助っ人選手にありがちな惰性でプレーすることも一切ない。交流戦の試合では、右翼に打ち上げた平凡なフライを相手がまさかの落球。凡退と決め込んでスピードを落とすケースが少なくないが、カナリオは総力を緩めることなく凡打を〝三塁打〟に変えてみせたこともあった。

 これには仁志コーチも「あの走塁は本当に素晴らしくて、日本人選手でもなかなかできない」と舌を巻いたほど。プレーが完了するまで全力疾走を怠らない勤勉な姿勢も首脳陣の信頼を高めている。

 今季のパの新外国人野手は軒並み成績が芳しくない。西武では2年目のネビンが4番に座り、チームトップの14本塁打。その脇を超ユーティリティープレーヤーのカナリオらが固めている。全打順をこなせる万能男の存在が確実にチームを押し上げている。