まさかの〝疑心暗鬼〟だ。セ首位に立つ阪神は8日から本拠地・甲子園で最下位に沈む広島との3連戦。7日には投手指名練習が行われ、才木、高橋、ルーカスら先発陣がキャッチボールやランニングなどで汗を流した。

 チームは5、6日のDeNA戦(甲子園)で痛恨の2連敗。2位に食い下がる巨人が広島に3連勝を飾ったことで、2・5ゲーム差まで縮められた。さらに優勝マジックも「18」で足踏みとなり、8、9日の広島戦に連敗し、巨人が中日に連勝すれば9日にもマジックが消滅する可能性がある。

 もちろん戦力を見れば悲観する材料ばかりではない。打線には佐藤、森下、大山の強力クリーンアップが並び、先発陣も村上、高橋、才木と充実。さらにリリーフ陣には「左アキレス腱断裂」から回復した石井が一軍に復帰し、5日のDeNA戦では1イニングを無失点に抑えた。最後のピースもそろい、戦力はむしろ整いつつある。

 それでも球団初のリーグ連覇へ突き進む中、球団周辺では不安の声も漏れ始めている。

 その背景にあるのがパ首位を走るソフトバンクの存在だ。8月5日には早くも優勝マジック「37」を点灯させ、当時は8月30日が最短優勝日とされていた。ところが、西武の猛追を受けて一時はマジック消滅の危機にさらされるなど、この日時点で「14」。圧倒的な戦力を誇る鷹軍団でも一筋縄にはいかない現状だ。

 昨季の阪神はプロ野球史上最速となる9月7日に優勝を決めた。ちょうど1年前は歓喜に沸き、藤川球児監督は胴上げで宙を舞っていた。

 チーム関係者は「『史上最速優勝を超えるかも』と言われていた、あれだけ強いソフトバンクでさえ思うようにマジックが減っていない。それだけに毎日不安ですよ。19日が最短優勝とはいえ、そんなにうまくいくことはないでしょうし、何とか10月に入るまでに決めてくれればいいですが…」と気をもんでいる。

 優勝争いが激化する中、今季も残り21試合。猛虎軍は忍び寄る〝疑念〟を振り払い、歓喜の瞬間を迎えられるか――。