やっぱり飛ぶ!? 近年のプロ野球では「投高打低」の傾向が強まり、3割打者や本塁打が激減してきたが、今季は状況が一変しつつある。セパともに7日から開幕4カード目に入り、新庄剛志監督(54)率いる日本ハムでは10試合を終えて実に22発。ひそかに〝飛ぶボール〟に変更されたとの説は否定されたが、実際にプレーしている選手たちの肌感覚は異なるようで――。
日本ハムが驚異的なペースで本塁打を量産している。まずは開幕から8試合連続本塁打で20本塁打に到達し、パ・リーグ最速記録を樹立。5日のオリックス戦(エスコン)でも万波、田宮に一発が飛び出し、9戦連発の計22発となった。
一発攻勢が続く背景には長距離砲をそろえるだけでなく、比較的狭い本拠地球場も要因に挙げられる。昨季も12球団最多の129本塁打をマークしているだけに、当然といえる記録かもしれない。だが、あまりの〝激増ぶり〟に「ボールが飛びやすくなったのでは?」との臆測もあった。
実際、パでは万波の5発を筆頭に清宮幸が山川(ソフトバンク)と並ぶ4発、野村が近藤(ソフトバンク)とともに3発と日本ハム勢が上位を独占している。しかし、一部報道によると、そうした可能性をNPB側が否定。ただ、現場の日本ハムの選手たちは昨季までとの違いを覚えているようだ。
野手の一人は「今年のボールは昨年のものに比べ明らかに飛ぶ感覚がありますね」と語気を強めこう話した。
「プロの選手なら打てばすぐ分かりますが、今年のボールは昨年のものと比べても打感が全然違うんです。速い直球を打っても押し込まれないというか、はじかれる感じで打球が伸びていく。オープン戦で打った時も『これは外野フライ』と諦めた打球が柵越えしたこともありましたから。(ボールの)反発係数とかは規定の範囲内のようですが、選手の大半は感じています。『今年のボールは飛ぶ』と」
また、別の選手は「国際球の影響もあるのでは」と分析する。
「チームの台湾遠征の時にWBCの公式球を打ちましたが、打った感覚がないぐらい打感がなかった。軽いというか、非力な打者でも簡単にボールを飛ばせる錯覚に陥るので。そのボールで打ち続けていると、いつの間にかみんな打球を強く叩きにいきますからね。もしかしたらそれが影響してチームの本塁打数増加につながっているのかもしれません」
球の影響なのか、錯覚なのか…。理由は定かでないものの「ボールが飛ぶのはうれしい」と一様に歓迎ムードだ。
ただ、投げる側の投手には困惑もあるようで「ウチ(日本ハム)だけが打っている感じがありますが、他チームも今季はボールが飛ぶのかホームランが出ている感じがしますから。投手には死活問題ですよ」と嘆く。
ちなみに、新庄監督は自軍の本塁打増について「ボールのことは…言いません。ボールは関係ないと思います」と語っていたが、今年1月に行われた12球団監督会議では「ちょっと(日本の)ボール、飛ばなくね? もうちょっと飛ばしたいなって」とポツリ。「僕たちが現役の時に使っていたボールはものすごく飛んでいたんですよ。ピッチャーがいい3、4年でしたから。今度はバッターが良くなったら見てるファンの方たちも楽しめていいかな」と国際球並みの「飛ぶボール」の採用を強く訴えていた。
謎が謎を呼ぶ日本ハムの本塁打量産。各選手のバットが振れていることは事実だけに、例年の「投高打低」から劇的な逆転現象が起きるかもしれない。
【3割打者わずか3人】「投高打低」の流れは昨季も変わらず、セ・リーグでは投手2人が防御率1点台で上位9人まで2点台に収まり、パでは1点台が4人、10人が2点台以内だった。
一方の野手陣は3割打者がセ・パ合わせてわずか3人。セでは小園(広島)が3割9厘、泉口(巨人)が3割1厘で、パでは牧原大(ソフトバンク)が3割4厘にとどまった。また、本塁打はセで佐藤(阪神)がギリギリで40発の大台に乗せたものの2位は森下(阪神)の23発。パもトップがレイエス(日本ハム)の32発で次点は山川(ソフトバンク)の23発だった。












