鷹の将は、どう見ているのか──。ソフトバンクの小久保裕紀監督(54)が20日、都内で行われた12球団監督会議に座長として出席。日本ハムの新庄剛志監督(53)が議題に持ち込んだ「飛ばないボール」論を受け、現在の〝投高打低〟の環境について見解を示した。

 座長として会議を取り仕切った鷹の指揮官は、終了後に「しゃべるのは得意なんですけど、(人に)しゃべってもらうのがなかなかね」と冗談めかして振り返った。そうした中で注目を集めたのが、新庄監督の問題提起だ。現役時代の経験も引き合いに出しながら「打者が良くなったら、見ているファンも楽しめる」と語り、打高環境への転換を示唆した。

 現在のプロ野球界は数字が示す通り、明確な〝投高打低〟の傾向にある。昨季の3割打者はセ・パ両リーグを通じてわずか3人。30本塁打以上を記録した打者も、各リーグ1人ずつにとどまった。投手の球速は年々上昇しており「投手有利の時代」との見方も定着しつつある。発信力のある新庄監督の発言だけに、ボールを含めた議論は再び熱を帯びた。

 この状況を小久保監督は、どうとらえているのか。「ボールが飛ぶ、飛ばないという問題は、ずっとついて回るテーマ」と前置きした上で、将来を見据えた見立てを口にした。「トラジェクトアークのようなものが、これから日本の球団でもますます導入されていくと思う。そうなれば、また打者のレベルが上がっていく」。

「トラジェクトアーク」とはドジャースの大谷翔平投手(31)らが活用し、MLBでも多くの球団が採用している高性能打撃練習マシンだ。球速、球種、回転数といったデータを再現した投球に相対しながら打つことが可能となるため、実戦に即した練習が可能となる。日本でもソフトバンクをはじめ複数球団で導入が進み、対戦予定の投手を想定した対策練習など活用の幅は広がりを見せている。

 活発な議論を歓迎しつつ、短期的な数字にとらわれない視点で〝投高打低時代〟の先を見据える──。座長を務めた鷹指揮官の言葉には、冷静な現場感覚がにじむ。