ソフトバンクが得意の交流戦で今年も無類の強さを発揮している。11日の阪神戦(みずほペイペイ)は3―2で競り勝ち5連勝。昨秋の「日本シリーズ」第2戦から阪神戦は7連勝となった。これで交流戦5カードを消化して13勝2敗。21回目の交流戦で、2年連続10度目となる優勝が目前に迫ってきた。

 借金2まで沈んでいた鷹のV字回復は5月22日から始まった。日本ハム3連戦をスイープし、勢いそのままに得意の交流戦に入って貯金を12まで積み上げた。パ王者に安定感が戻った大きな要因の1つには、5月12日にDeNAから交換トレードで電撃加入した山本祐大捕手(27)の存在があった。「左手有鉤骨の疲労骨折」で離脱するまで先発マスクをかぶった13試合でチームは9勝。3日の中日戦では患部の激痛に耐えながら適時打を放ち、チームに有形無形の好影響を与えた。

 チーム浮上のきっかけをつくった電撃トレードを仕掛けたのは、城島健司チーフベースボールオフィサー(CBO=50)だった。鷹のフロント最高責任者は「捕手が大きな補強ポイントで、山本祐大も含めてチームで一番フィットするのは誰だろうと思いながら探っていた」と経緯を説明。近日中に手術を受ける見込みの27歳を思いやりながら「今回ケガをしたけど、2026年だけの補強だとは思っていない。中長期的にホークスの捕手として一線でやってくれると思っている。今季終盤だったり、来年以降も捕手陣を引っ張っていってもらいたい。そういう補強と考えてもらっていい」と明確な意図も付け加えた。

 強いチームは隙をつくらず、常に緊張感がある。城島CBOは「僕は山本祐大が来たから安泰だと思ってもいない」と言い切る。その上で「ウチは生え抜きだからトレードしない、ドラ1だからトレードしないとか、功労者だからトレードしないということは全然ない。この組織にいる以上はニーズが合えばトレードする。僕だって、この世界に入った時から辞めるまでその覚悟だった。それがイヤだという人はプロ野球選手にならない方がいい」と球団方針を明かしつつ、積極的な姿勢に変わりがないことを表明した。

「動ける球団がウチであって、オレ。それがオレがここに来た意味。今回のトレードは全然大きなトレードじゃない」とも言い切った城島CBO。世間に大きな衝撃を与えた主力捕手のトレード加入は、序章にすぎないのかもしれない――。