金満軍団の次の〝痛点〟は、意外な右腕に向けられるかもしれない。MLBでサラリーキャップ制導入を巡る議論がくすぶる中、ドジャースの編成にも波紋が広がっている。米メディア「ファンサイデッド」が11日(日本時間12日)までに報じたところによれば、仮に同制度が導入された場合、ドジャースが人件費圧縮のために放出を迫られる候補として、まず浮上しそうなのはカイル・タッカー外野手(29)だが、より現実的な〝犠牲者〟としてタイラー・グラスノー投手(32)が有力な放出候補になるという。
理由は明快だ。タッカーは今季、自身の基準から見れば物足りないプレーが続いているとされ、向こう3年で約6000万ドル(約94億2000万円)もの契約を引き受ける球団を見つけるのは容易ではない。成績面で不安を抱える高額外野手を買い取る市場が限られるなら、ドジャースが放出したくても動かしづらい。「売りたい選手」と「売れる選手」は別物というわけだ。
一方のグラスノーは、残り契約が1年2730万ドル(約42億9000万円)に加え、3000万ドル(約47億1000万円)の球団オプション。負担は重いが、先発投手としての実力は折り紙付きで、トレード市場ではまだ説明がつく。問題は故障歴だ。ドジャースは健康なら圧倒的な力を発揮する右腕を抱える一方、稼働率の不安とも向き合ってきた。サラリーキャップ下で巨額年俸を削る必要が生じれば、価値がありながら代替も可能な選手が整理対象になり得る。
その代替可能性こそ最大のポイントだ。ドジャースには大谷、スネル、山本、佐々木、ロブレスキー、シーハンらが控える。グラスノーがいれば先発陣の厚みは増すが、強制的な年俸抑制が現実となれば、痛みを伴う整理の対象になりかねない。
同記事ではブルージェイズのヒメネス、フィリーズのノーラ、ヤンキースのロドン、メッツのポランコにも触れている。だが、米メディア「スポーティング・ニュース」も補足した通り、最大の注目はドジャースだ。青天井の補強で常勝体制を築いてきた名門が、制度変更ひとつでどんな取捨選択を迫られるのか。タッカーではなくグラスノー――。その予想は、金満王者の未来図に小さくない波紋を広げている。











