古巣復帰の条件に「謝罪」を突きつけた剛腕へ、米メディアが異例の退場宣告を下した。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は12日(日本時間同日)、レッドソックスのアロルディス・チャプマン投手(38)が、ヤンキース復帰の可能性をめぐり、ブライアン・キャッシュマンGM(58)に謝罪を求めた問題についてクローズアップ。その上で「ばかげている謝罪要求は、ヤンキースが再結成を回避するのに十分な理由」と痛烈に切り捨てた。移籍市場における発言に、米主要メディアがここまで踏み込んで〝断罪〟するのは異例。古巣との因縁を蒸し返したベテラン左腕への風当たりは強い。
チャプマンは2022年のポストシーズン前、マイアミへの遠征を理由に練習を欠席し、ヤンキースの地区シリーズ登録メンバーから外れた。当時の球団側は問題行動と受け止め、両者は後味の悪い形で決別。現在はレッドソックスで守護神を務め、今季は20試合で防御率0・46、13セーブと抜群の成績を残す。チームが勝率5割を大きく割り込み、米東部時間8月3日午後6時(同4日午前7時)のトレード期限へ向けて売り手に回る可能性が高まる中、ブルペン補強を狙うヤンキースの候補に名前が浮上するのは自然な流れだった。
ところが、本人がそこへ冷水を浴びせた。チャプマンは米スポーツ専門局「ESPN」のインタビューで、ヤンキースにトレードされるなら「まず謝罪すべき」と主張。謝罪すべき人物がキャッシュマンGMか問われると、肯定した。問題発言の経緯はすでに米メディアで広く報じられているが、前出のON SIが強調したのは発言の真偽より、勝負どころのチームに不要な混乱を持ち込む危うさだった。
同メディアは、ヤンキースがチャプマンに謝罪する必要はなく、レッドソックスとのトレードを仲介してまで呼び戻すのは「論外」と指摘。仮に本人が許可を得ていたとしても、ポストシーズン前にチームと足並みをそろえなかった事実は重いとの見方を示した。キャッシュマンGMが当時「この時期は全力で取り組むべきなのに残念だ」と語ったことも引き合いに出し、謝罪要求に正当性はないと断じている。
チャプマンの実力は今も魅力的だ。ヤンキース時代にも146セーブを挙げ、3度のオールスター選出を果たした。しかし、ON SIは「良い思い出もあるが、再会は良いことより悪いことの方が多い」と結論づけた。勝負の夏に必要なのは、過去のしこりを抱えた大物ではなく、優勝争いの空気を乱さない即戦力。謝罪要求という〝自爆発言〟で、チャプマンのヤンキース復帰話は一気に遠のいた感が漂う。












