LAの絶対王者が10月決戦へ向けて仕込んだもう一つの一手が、思わぬ形で切り札になろうとしている。MLB公式サイト「MLB.com」は7日(日本時間8日)、ドジャースが3日(同4日)のトレード期限前にロイヤルズから獲得したクリス・バビク投手(28)をクローズアップ。2年連続世界一から3連覇を狙うチームにとって、左腕がポストシーズンの「キーマン」になり得る理由を掘り下げた。

 今夏の主役は何といっても、タイガースから3対1の大型トレードで獲得したタリク・スクバルだ。2年連続ア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた左腕の加入で、先発陣は一気に再編モード。山本、大谷らに加え、現在リハビリ中のスネル、タイラー・グラスノーもポストシーズンまでに復帰すれば、先発候補は飽和状態となる。そこでバビクに浮上するのが、かつて真価を発揮したブルペンへの配置転換だ。

 バビクは2023年にトミー・ジョン手術を受け、復帰した24年は救援で頭角を現した。25年には先発へ戻って20試合で防御率2・55をマークし、初のオールスター選出。今季もロイヤルズで9試合に先発し3勝2敗、防御率4・11だった。ドジャースはカルロス・デュランとの1対1のトレードで獲得しており、大きな代償を払わずに実績ある左腕を確保した格好だ。

 ただ、5月に左肘痛で離脱し、リハビリ中に左肩痛も訴えて現在は60日間の負傷者リスト入り。それでも検査では深刻な構造的異常は確認されておらず、10月に間に合えば短いイニングで起用する選択肢が現実味を帯びる。

 最大の根拠は24年の救援成績にある。27試合で30回1/3を投げ、救援時の期待防御率は1・86。規定に達していればメジャー3位相当で、奪三振率32・2%、与四球率4・1%、ゴロ率59・7%と圧巻だった。右打者にはチェンジアップ、左打者には速球と大きく曲がるスイーパーがあり、左右を問わず勝負できるのも強みだ。

 スクバル獲得で先発の層を極限まで厚くし、その余波でバビクを本来の破壊力が生きる救援へ回す――。派手な大型補強の陰に隠れた「もう一つの商談」が、10月の終盤を締める最後のピースへ化けても不思議ではない。