正念場の秋を支えているのは〝じゃない方〟のニューカマーたちだ。セ界連覇を目指す阪神は2位・巨人とのゲーム差を2とし、マジック6の首位。17日の広島戦(甲子園)から23日のヤクルト戦(神宮)までの変則7連戦を6勝1敗と大きく勝ち越し、V戦線の優位を取り戻した。

 今月中旬までに泥沼の7連敗を喫し、一時はマジック消滅の危機にも陥った。だが大失速からチームを救ったのは、虎フロントが春までに完了させていた「隙間を埋める渋い補強」だ。

 代表格は昨オフに西武から戦力外通告を受け、虎に拾われる形となった元山飛優内野手(27)。シーズン途中から正遊撃手に定着し、20日のDeNA戦(甲子園)では3打点をマーク。22日のヤクルト戦(神宮)では4出塁1盗塁と、下位打線から攻撃を組み立てる役割を果たした。東北福祉大の先輩・中野と組む二遊間も安定感が光る。

 島本(現日本ハム)との交換トレードで加入した伏見寅威捕手(36)も一軍戦力として定着。23日のヤクルト戦では計4打点の大暴れを見せ、守っても先発・高橋を6回1失点の好投に導き、最多勝をほぼ確定させる15勝目をアシストした。今季、高橋の15勝のうち12勝でマスクをかぶるなど今や欠かせぬ相方だ。

 育成ドラ1ルーキーの神宮僚介投手(23)も〝掘り出し物〟となった。虎ブルペンに欠けていたロングリリーバー&火消し要員として、支配下登録された夏場以降はフル回転が続く。

 開幕前の注目株は競合ドラ1の立石や、遊撃を埋めるべく獲得された新助っ人・ディベイニーだった。だが両者は一軍の壁にはね返され、十分に活躍できぬまま。その一方で戦力外男やトレード要員、育成ルーキーなど、期待値が低かった〝じゃない方〟の男たちが存分に機能している。

 球団OBも「ほんのひと昔前まで阪神は『ドラフトが下手』だの『トレードは失敗だらけ』だのと散々に言われてきたんだけどね。今やすっかり編成巧者だよ」と隔世の感をにじませる収穫の秋。悲願の瞬間は目の前まできている。