エース左腕を支えた〝攻めの捕手論〟とは――。阪神は23日のヤクルト戦(神宮)に8―4で勝利して4連勝。優勝マジックを「7」に減らし、悲願の頂点へまた一歩前進した。
攻守で存在感を示したのは加入1年目の伏見寅威捕手(36)だった。6回に1点を先制し、なおも二死満塁のチャンスで右翼へ走者一掃の3点適時二塁打。7回にも二死一、二塁から中前適時打を放って燕を突き放した。さらに、守っては先発・高橋遥人投手(30)とのバッテリーで6回5安打1失点の好投を引き出し、最多勝&最高勝率のタイトルを手中に収める今季15勝目をアシスト。「遥人に最初から15勝してほしいと思っていたので、まずは目標を果たせたと思う。残り試合は全部勝ちたいと思います」と笑顔で汗を拭った。
高橋はこの日が今季22試合目の先発で、伏見は18度目のバッテリーだった。伏見は左腕の感覚を尊重しつつ、配球面からサポートを続けてきた。「僕ができることはサインを出すことなので。『この球の後はこれにいってみよう』とか、そういうところで力になれたらと思ってやっています」。その配球を支えるのが独自の論理だ。
「僕はよく『変化球にいったら逃げ、という感覚はやめよう』といった話をしてます。『攻めるつもりで変化球を投げて』と。真っすぐでいけば強気というわけでも僕はないと思うんで」。外角への変化球も決して逃げではない。「外の変化球も〝交わしにいく〟という表現になると弱気かもしれないので『攻める気持ちで投げよう』と。同じ球種だけど、気持ちの持ちようで変わってくるので」と力を込めた。
高橋の精神状態にも気を配り、言葉をかけるタイミングも見計らってきた。「マウンドでは気持ちが入っちゃってるんで分からないと思う。離れた時にそういう話をするようにしています」。こうした日ごろからの対話が左腕の快進撃を支える一助となってきた。
酸いも甘いも知るベテランの〝攻めのリード〟と勝負強い打撃が、猛虎軍を悲願の連覇へと押し上げていく。












