大エースを手放した球団こそ、今夏の大型トレードの〝真の勝者〟だったのか。ドジャースからFAとなった左腕タリク・スクバル投手(29)の争奪戦が激化する一方、8月に同投手を放出したタイガースの先見の明に注目が集まっている。
スクバルはア・リーグのサイ・ヤング賞を2年連続で受賞した球界屈指の左腕。ドジャースは8月2日(日本時間3日)、3人の有望株との1対3の交換トレードで獲得した。しかし今オフはFAとなり、再契約を狙うドジャースにメッツやカブスなども絡む争奪戦に突入。残留は保証されていない。
対照的に、タイガースが受け取った〝見返り〟には大きな期待が膨らんでいる。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、3選手それぞれの成長を検証し、タイガースが「大当たりを引いたかもしれない」と指摘。MLB公式サイトの有望株ランキングを扱う「MLBパイプライン」によれば、FA目前の選手との交換でトップ100有望株2人を獲得したのは、少なくとも2004年以降で初めてという異例の取引だった。
来季の先発ローテーション入りを狙うのはリバー・ライアン投手(28)。右腕は昨季、右肘のトミー・ジョン手術からの回復で全休し、移籍時も太もも裏の張りで離脱していた。それでも9月21日(同22日)のナショナルズ戦でタイガース移籍後初登板を果たし、3回無失点。今季のメジャー登板は2試合、計4回1/3で6奪三振ながら、復活への足掛かりを築いた。
最大の掘り出し物と目されるのがザイヒール・ホープ外野手(21)だ。今季は両球団の傘下2Aで計124試合に出場し、打率2割8分7厘、29本塁打、26盗塁。MLB公式の有望株ランキングではタイガース傘下の1位に浮上した。来季3Aで結果を残せば、メジャー昇格も現実味を帯びる。
もう一人のブレイディ・スミス投手(21)も右腕。今季マイナー3球団で計80回2/3を投げ、118奪三振、防御率4・24を記録した。故障による離脱はあったものの、今後は速球の制球とチェンジアップを磨くことで、先発投手としての成長が期待される。
FAまで残り2か月だったエースを放出し、即戦力候補と将来の主軸を同時に確保したタイガース。ドジャースがスクバルの去就に神経をとがらせる中、デトロイトには〝一足早い勝利宣言〟が聞こえてきそうだ。













