巨人・松井秀喜監督(52)とドジャース・大谷翔平投手(32)を筆頭とするスター軍団に〝代理戦争〟が勃発しそうな気配が漂っている。MLB挑戦を表明していた横浜高・織田翔希投手(18)を巨人がドラフト1位で強行指名。2日に米球界挑戦の意思が揺らいでいないことが改めて明らかになったが、松井監督は直接交渉に含みを持たせ、本命視されるドジャースには大谷が控える。平成と令和を代表するスーパースターが鍵を握る争奪戦に発展するかもしれない。

 日本球界を経ずにMLB挑戦を表明していた織田に、まさかの展開が訪れたのは先月22日のドラフト会議だった。巨人が単独で1位指名し、最速157キロ右腕との交渉権を獲得した。

 無謀とも思われた強行指名から一夜明けた同23日には松井監督が新指揮官に電撃就任。巨人、ヤンキースで一時代を築いたスーパースターの帰還に日本中が沸き立った。しかし、織田の決意は固い。2日に横浜・村田監督が「本人はアメリカのことしか考えていない」と明言。4日から17日にかけてMLB11~12球団と面談するという。

 今回のドラフトに関わっていなかったという松井監督自身は織田との直接交渉について「逆に迷惑になる場合もあるかもしれない。彼の気持ちを第一に考えていきたい」と慎重姿勢。一方で「球団の方と相談してからになる」とも話し、場合によっては自ら出馬する余地を残した。ただ、巨人からの指名あいさつも村田監督が「控えさせていただきます」と断っており、面談の予定は未定のままだ。

 ヤンキース専門メディア「ピンストライプ・ネーション」は、松井監督による直接交渉を見据え「日米両国での経験を持つ松井氏には、その対話で説得力のある言葉をかけるだけの重みがある」と織田が翻意することも十分考えられるとみていた。

 ただ、もちろん簡単な道のりではない。織田も考え抜いた末にドラフトを経由しない異例の決断を下した。しかも、かねて最有力候補となっているドジャースの公式インスタグラムをMLB球団で唯一フォロー。地元紙「カリフォルニア・ポスト」も強気そのもので、事情に詳しい関係者たちの間では「彼はまだ決定を下していないと主張しているものの、織田翔希は最終的にドジャースに加入するだろうという見方が広く広がっている」と報じ、契約金は「300万ドル(約4億7000万円)から500万ドル(約7億8000万円)」になるとも伝えた。

 NPBの新人契約金は出来高も含めて1億5000万円が上限で、条件面では太刀打ちできない。さらに、ドジャースには〝超敏腕リクルーター〟でもある大谷も控えている。同僚となっている山本、佐々木の交渉過程に立ち合い、決定的な言葉を発しなくても圧倒的な存在感でチームに導き、時には愛犬のデコピンを連れて場を和ませた。

 織田にとって山本は憧れの一人であり、佐々木は同じ国際アマチュアFAの立場からメジャーの舞台にはい上がった。仮に日本選手トリオがドジャースと織田の交渉に総出で参加するとなれば、松井監督はさながら1対3のハンディキャップマッチのような構図となるが…。

 日米の名門球団による〝織田争奪戦〟の行方は――。