難敵に違いない。ソフトバンクの周東佑京外野手(30)が、巨人から楽天に移籍した甲斐拓也捕手(34)に強い警戒感を示した。衝撃のトレードがまとまり、甲斐本人から報告を受けたという周東。「今回は契約を残しての移籍。NPBでは異例の形なんで、びっくりした」と率直な感想を語った。

 甲斐は2024年オフに国内FA権を行使してソフトバンクから巨人に5年総額15億円(推定)の大型契約で移籍。正捕手として期待されたが、加入から2年間で出場は81試合にとどまり、先月末に金銭トレードでの楽天入りが決まった。

 ホークスで一時代を築いた名捕手が、再びパ・リーグの舞台に戻ってくる。周東にとっては「育成出身」という同じルーツを持つ尊敬する先輩で、日本代表としてWBCなどの国際大会でもともに戦った盟友だ。公私で仲がよく、互いをよく知る間柄。それだけに甲斐が同一リーグの楽天にもたらす好影響を警戒する理由も十分にある。

 話題が甲斐の移籍に及ぶと、即答だった。「めちゃくちゃイヤです。なんというか、やっぱり見透かされてるんだろうなって。そう思っちゃいますから」。自らの特長や傾向、データがすべて甲斐の頭にインプットされている――。努力の跡を見てきたからこそ、敵になると怖い。「ホークスにいた時も、朝早くから映像を見返したり、試合後も遅くまで残って次の日の準備を欠かさなかった。遠征先でもノートをつけたり、資料を切り貼りしていた。そういうのを見てきているから」(周東)。

 楽天は今季58勝84敗1分け、勝率4割8厘と低迷し、最下位に沈んだ。だが、周東は「今年の成績はよくなかったけど、僕らの中ではもともとすばらしい選手がそろっているチームという印象。そういうチームに甲斐さんが加わるわけですから」と、百戦錬磨の捕手がライバルにもたらす相乗効果を警戒せずにはいられなかった。

「でも、この2年で僕もだいぶ変わってるんでね」と不敵な笑みを浮かべた周東。今季は4年連続となる30盗塁以上をマークして5度目の盗塁王に輝き、王会長が目を細めるほどの打撃向上で打率十傑入りを果たした。見据えるは究極の化かし合い。来季パ・リーグの注目対決となるのは必至だ。