阪神は22日のヤクルト戦(神宮)に延長戦の末、9―7で競り勝って3連勝。両軍合計15人もの中継ぎ投手を投入した死闘中の死闘は、延長11回に高寺望夢内野手(23)がマークした3号2ランによって決着した。
値千金という言葉でも足りぬほどの放物線が、秋の闇夜を切り裂きながら右翼席へ届いた。文句なしのヒーローインタビューに選ばれた若虎は「あの打席だけは手応えが良かったです。なんとか勝てて良かったです」と晴れの舞台で喜びの余韻にひたった。
初回に森下の2点先制適時打と佐藤の36号2ランで幸先よく4点を挙げたことで楽勝モードが漂ったが、先発・伊藤将は制球が定まらぬ乱調で2回を3安打1四球2失点。もうひとつも負けられない藤川球児監督(46)はこの回限りで左腕を見切り、継投策に移行する。
7連戦真っただ中の虎救援陣は、連投につぐ連投で疲労も蓄積。神宮、及川、岡留らこれまで信を置いて起用されてきた投手たちは失点を重ね、点を取っては取られの大乱戦はついに7―7の同点に追いつかれ、延長に突入する。
虎にとって最大のピンチは10回に訪れた。8番手として登板したドリスが安打と四球で一死一、二塁。次打者・岩田に対してカウント2―0とした場面で異常を訴え、交代するアクシデントに見舞われてしまった。
絶体絶命の状況で、9番手として緊急登板したのは助っ人左腕セベリーノ。不利なカウントから引き継いだ岩田は四球で歩かせ一死満塁としたが、続く田中&の鈴木叶を連続三振に切って取り、窮地からの脱出に成功した。
「いつも準備はしていたつもりだった。緊迫したゲームで力になれてよかった」(セベリーノ)と振り返った12球の大仕事はこの試合だけでなく、シーズンの行方をも左右することになるかもしれない。助っ人の火消しもまた、値千金という言葉では足りないほどの値打ちがあった。
試合後の藤川監督は「皆が勝負強くやってくれた」と大接戦を勝ち切ったナインたちをたたえる。高寺の殊勲弾に対しては「いいスイングでした。気持ちよかったですね。1試合で4、5打席立たせなければならない選手なのですが、なかなかそういう機会もないところでよく頑張ってやってくれましたね。最後は森下のバットだったみたいですけど(笑い)」と振り返り相好を崩す。
最高の火消しを成し遂げてくれたセベリーノには「窮地になって(これまで)使ってなかったのですが、素晴らしい働きをしてくれた。チームにとってありがたいし、もともとアメリカでああいうシーンで投げるところを見ていましたから」と目尻を下げる。
緊急登板となったドリスに対しては「少し体の疲労が。50試合くらい投げていますからね」と説明。翌日以降の起用には「連投ですからね。今から話し合います」と語った。
2位・巨人が広島に敗れたため、ゲーム差は1・5に拡大。優勝マジックは8とついに一桁台に突入した。球団史上初となる連覇へ、猛虎がついに本格的なカウントダウン態勢に入った。













