巨人は23日の広島戦(マツダ)に2―1で逃げ切り、首位・阪神との1・5ゲーム差を死守した。勝利の立役者は6回途中で緊急降板しながら1失点の好投で11勝目を挙げた竹丸和幸投手(24)だった。

 初回先頭の中村奨に先制ソロを献上したものの、その後は要所を締めて無失点。6回一死一塁の場面でファビアンを空振り三振に仕留め、自らコンディション不良を訴えて降板したが、本人は「左脚がずっとつって戻して、みたいな感じだったので無理だなと判断した」と明かし「よくあること」と軽傷を強調した。また一歩前進した新人王争いには「そこはあんまり考えずに」とし「あと1試合頑張ろうと思います」と平常心を貫いた。

 ペナントレースは残り7試合となり、逆転優勝に向けて負けられない戦いが続く。当然、チーム内にも張り詰めた空気も漂うが、竹丸だけはひと味違うという。先輩ナインの一人は「彼は基本的に何事にも動じないし、驚いたところを見たことがない。自分たちもマネしたいくらい」と証言。入団1年目のルーキーとは思えない肝っ玉ぶりだともっぱらだ。

 ただ、竹丸本人は「そんなことないですよ。たぶん人並みに驚いてはいると思います」と否定した一方で「最近驚いたこと」を尋ねると、しばらく沈黙した後「確かにないかもしれないですね」とポツリだった。

 それでも数分間も記憶をたどった末に思い出したのは、自らの運命を変えた昨秋のドラフト会議前日の出来事だ。

「メディアの情報などから巨人は立石(阪神)を1位指名すると思っていたので、自分の1位指名を事前公表した時は『マジで?』と(笑い)。あの時は確かにビビりました」

 裏を返せば、昨年10月下旬に巨人にドラ1指名されてから、プロの新しい環境に身を置きながら1年近くも驚いたことがない日々を送ってきたということになる…。竹丸の強心臓ぶりは最終盤のシーズン、その先に続くポストシーズンでもチームの武器となりそうだ。