この勝利に「1勝」以上の価値があるか。日本ハムが22日の楽天戦(エスコン)に6―5で逆転勝ち。2位・西武とのゲーム差を「0・5」に縮めた。

 先発・北山が初回に2本の二塁打で先制点を許し、3回にもマッカスカーに2ランを被弾するなど5回までに5失点。満員の本拠地スタンドは一時、絶望感に包まれた。

 だが、反撃はその直後5回だった。水野の安打と水谷の四球で無死一、二塁をつくると、続く田宮が右翼へ7号3ラン。さらにこの日プロ初の一塁でスタメン出場した柴田の中前適時打で1点差に詰め寄り、続く6回には水谷が左翼へ起死回生の6号2ランを放ち、ついに逆転に成功。このリードを救援陣が最後まで守り抜いた。

 5点差を跳ね返す大逆転勝利に、試合後の新庄剛志監督(54)も「今日はタク君のおかげでね。本当に最高のドラマチックな勝ち方をしたというか」と興奮気味。「選手たちがタク君の最後の花道を、なんとか勝ちで終わらせたいっていう気持ちが、すごい伝わってきた試合でしたね」

 この日は今季限りで現役引退を表明した中島卓也内野手(35)の引退試合だった。仮に敗戦ならナインやファンに親しまれる日本ハム一筋18年のベテランの最後を勝利で飾れないばかりか、リーグ2位浮上の可能性も絶望的な状況に陥るはずだった。そんな暗雲漂う雰囲気が大逆転劇で一気に好転。今後チームに勢いが出るのは間違いない。

 この日、同時刻に敵地でソフトバンクと対戦していた西武が敗戦。日本ハムのCS本拠地開催もいよいよ現実味を帯び始めてきた。ナインや日本ハム球団関係者のやる気は俄然高まるばかり。
「もう全部勝つしかないですからね。相手どうこうより、こっちが全て勝って。それで順位の入れ替わりっていうのをね」(新庄監督)。

 残すはわずか6試合だが、リーグ2位奪還に向け確かな手応えをつかみつつある日本ハム。中島の引退試合という特別な試合で最高の結果を残したチームは、この流れを無駄にはしない。