〝ゴジラ巨人〟の船出に、いきなり最大級の難敵が立ちはだかる。巨人・松井秀喜監督(52)の来季初陣が、中日・工藤公康監督(63)との新監督対決に決まった。日本野球機構(NPB)が4日に来季セ・リーグ日程を発表し、3月26日から本拠地・東京ドームで3連戦。球界内では早くも「松井巨人の今後を占う重要なターニングポイント」とみる声が上がっている。

 松井監督はこの日、ジャイアンツ球場の秋季キャンプで清水打撃チーフコーチらと若手の打撃練習をチェック。午後には実戦形式のライブBPも行われ、ジャイアンツタウンでは投手陣が汗を流した。新体制の土台づくりが進む中で決まったのが、ある意味において〝宿命〟の開幕カードだ。

 年齢は11歳違い。歩んだ道も異なる2人だが、実は巨人で同じユニホームを着た間柄だ。工藤監督がダイエーからFA移籍した2000年から02年まで3年間、当時の長嶋茂雄監督、原辰徳監督の下でともに戦い、00年と02年には日本一を経験した。投手と野手で立場は違えど、栄光と重圧を共有した元チームメート。松井監督も4日に敵将の工藤監督について「非常に尊敬する先輩」と語った。

 その後、松井監督はヤンキースなどメジャーで現役生活を全う。一方の工藤監督は西武、ダイエー、巨人で〝優勝請負人〟として鳴らし、巨人から人的補償で横浜へ移籍。最後は西武で現役を終え、ソフトバンク監督として7年間でリーグ優勝3度、日本一5度を成し遂げた。長嶋イズムに米国での経験を重ねる松井流と、NPB一筋で磨き抜いた〝王道の日本野球〟を知り尽くす工藤流。指揮官としての経験値には大きな隔たりがある。

 巨人OBの間では「松井監督にとっては、のっけから最大の試練が訪れることになりそう」と警戒する声がある。百戦錬磨の工藤監督なら、敵地で新生巨人の出ばなをくじく意義を熟知しているはず。データで弱点を丸裸にし、意表を突く采配で初めて実戦指揮を執る松井監督を揺さぶってくるだろう――。そんな筋書きを危惧するOBもいる。

 開幕3連勝を許せば、工藤中日は一気に勢いづく。反対に、巨人が最も厄介な相手になり得る中日をたたけば、新体制に大きな弾みがつく。異なる野球観が激突する東京ドームの3日間。松井監督にとっては、単なる143分の3では済まされない大勝負となるのは必至だ。