目指すは、孤高の英雄だ――。ヤクルトの山野太一投手(27)は4日、埼玉・戸田球場を訪れ自主練習を実施。キャリアハイを更新する12勝を挙げるなど大きな飛躍を遂げた1年を「想定以上だった」と振り返った。

 ブレークの要因については「正直、調子がいい日はあまりなかったんですけど、悪い中でも試合をつくれたことは結果につながったと思う。投球内容より結果重視になったのが、うまくハマったのかなと思います」と分析。これまでは理想の投球を追うあまり結果が後回しになっていたという。今季はその日に調子のいいボールを積極的に使うなど結果を最優先したことが結実した。

 7年目となる来季の目標は「1年間ローテーションから外れないこと。あとは今年以上の投球回、2桁勝利。タイトルも取りたいですね」。さらなる高みを見据え、貪欲に結果を追い求める。

 その山野には野球に向き合うため貫いている流儀がある。オフの自主トレの構想を尋ねると「僕は1人でやります」と即答。マウンドで最高のパフォーマンスを発揮するため大切にしているのが〝1人行動〟だという。

「なるべく1人で行動しろ」。2年前、現中日ヘッドコーチで当時ヤクルトのコーチを務めていた嶋基宏氏(41)から受けた助言だった。「『マウンドでは1人。野球も私生活も、なるべく1人で過ごせ』と言われて。かっけえな…と思って」(山野)。

 嶋氏の教えが、山野の野球観に大きな影響を与えた。マウンドでは誰かが助けてくれることはない。日ごろから自分と向き合う時間を増やすことが大切だと教わった。

 それからは複数選手で行う自主トレに参加するのをやめ、キャッチボールなど相手が必要な練習以外、なるべく1人で取り組むようになったという。「サボろうと思えばサボれるし、けどその中でやらなければいけないので、気持ち的にも鍛えられる」と全責任を自分で負う環境が、技術と精神面の成長につながっているとした。

 来季の開幕投手候補にも名前が挙がる燕のエース。あえて孤独を選び、己を律する日々が左腕の強さを支えている。