虎の主砲をめぐる争奪戦に、思わぬ落とし穴が潜んでいる。阪神からポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐藤輝明内野手(27)にフィリーズが熱視線を送る一方、米メディア「ラウンドテーブルスポーツ」が6日(日本時間7日)、獲得を断念する可能性すらあると警鐘を鳴らした。
フィリーズは今オフ、三塁手の補強が急務。米主要メディアもフィリーズを有力な移籍先に挙げ、地元で期待が膨らんでいる。ヤンキースやドジャース、メッツも獲得候補として名前が浮上しており、争奪戦の行方も注目される。今季は打率3割6厘、39本塁打、106打点でセ・リーグ三冠王に輝いた。左の長距離砲として申し分ないが、問題は打撃ではなく守備にあるという。
同メディアは、米球界の一部スカウトが佐藤を三塁手としては不向きとみていると紹介。ホワイトソックス・村上宗隆も日本では三塁手だったが、メジャーでは一塁へ転向した。佐藤も同じ道をたどる可能性があり、たとえ渡米当初に三塁を守っても、長期的には一塁か指名打者(DH)に落ち着くとの見方だ。
ここで厄介なのがフィリーズの事情だ。今季途中にアラーエスを獲得すると、ストットを三塁、ボームを一塁へ移し、主砲ハーパーは右翼へ回った。だが球団は来季、ハーパーを一塁へ戻す方針。アラーエスとボームはともにFAとなり、守備陣を再編する好機を迎えている。DHにはシュワーバーが控え、佐藤の〝受け皿〟がない。無理に一塁へねじ込めば、主軸の守備位置を再び動かさざるを得ない。
もちろん、佐藤を三塁で起用し、ハーパー休養時のみ一塁に回す方法はある。それでも同メディアは「三塁で130試合を安心して任せられるのか」と疑問を呈した。守備をさほど重視しないデーブ・ドンブロウスキー編成本部長の方針が、過去にチームの弱点を招いたとの指摘もある。
佐藤は昨季、三塁手としてゴールデングラブ賞にに輝いた実績もある。それでもメジャーでの適性は別問題。巨額の資金を投じて長期契約を結んだ後に守る場所がなくなれば、編成への打撃は計り知れない。
争奪戦の有力候補に名を連ねるフィリーズだが、熟慮の末の〝撤退〟も決して絵空事ではない。












