古巣への〝当てこすり〟が、くすぶっていた火種に再び油を注いだ。ドジャースのエリック・ラウアー投手(31)がトレード期限後、チームとの意思疎通の良さを絶賛。米メディア「ヘビー」は7日(日本時間8日)、その発言を古巣ブルージェイズへの「さりげない批判」と受け止め、両者の確執をクローズアップした。

 3日(日本時間4日)のトレード期限前には放出候補にも挙がったラウアーだが、結局はドジャース残留が決定。その後、米紙「ニューヨーク・ポスト」の取材に「彼らは自分たちの考えや私の考えについて、コミュニケーションの面で非常にオープンだった」と説明し、「私はドジャースでプレーしたいと伝えた。彼らはそれを真摯に受け止めてくれたのだと思う」と明かした。

 ここまでは現所属球団への感謝にも聞こえる。だが、続けて「これまで、このような選択肢を与えられたことはなかったし、状況についてこれほど詳しく説明されたこともなかった。ここのコミュニケーションは本当に最高レベルだ」と強調。古巣を名指しこそしなかったものの、ヘビーがブルージェイズへの〝皮肉〟とみたのには伏線がある。

 両者の口撃戦は今春から始まっていた。4月17日(日本時間18日)のダイヤモンドバックス戦で、ブルージェイズはラウアーの前にオープナーを起用。先発を希望していた左腕は試合後、「率直に言って大嫌いだ。我慢できない」と不満をあらわにし、最後には「それは私の権限を越えること」と発言した。

 これにブルージェイズのジョン・シュナイダー監督(46)も黙ってはいなかった。「確かに彼の起用法は彼の権限を越えている」と応戦し、「役割が気に入らないなら、みんなに言うのではなく私に直接言ってくれ」とピシャリ。最後は「君が投げる。決めるのは私だ」とまで言い切った。

 ラウアーはブルージェイズで8試合に登板して1勝5敗、防御率6・69。5月11日(日本時間12日)にDFA(事実上の戦力外)となり、同17日(同18日)にドジャースへトレードされた。移籍後は10試合(9先発)で5勝1敗、防御率3・72と持ち直している。

 結果を出した今だからこそ、「最高レベル」という言葉の裏にある古巣との落差は際立つ。今回、シュナイダー監督が新たに応戦したわけではない。それでも春に激しくぶつかった両者の因縁を思えば、ラウアーの一言が古巣への〝口撃〟と受け止められるのも無理はない。ユニホームが変わっても、この火種は完全には消えていないようだ。