大物を獲ったのに「宝の山」はほぼ無傷――。
ドジャースがまたも球界をうならせる補強をやってのけた。ドジャースは1日(日本時間2日)にタイガースから2年連続ア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたタリク・スクバル投手(29)を獲得。ザイア・ホープ外野手(21)、リバー・ライアン投手(27)、ブレイディ・スミス投手(21)を放出する3対1の大型トレードを成立させた。今オフにFAとなるとはいえ、今季も7勝5敗、防御率2・79をマークする球界最高峰の左腕を加え、先発陣はさらに「凶悪な陣容」となった。
もちろん代償がゼロだったわけではない。ホープはMLBパイプライン全体25位、ライアンも同68位で、スミスも当時のドジャース傘下17位。普通の球団ならファームの骨格を揺るがしかねない放出だ。それでも、ドジャースには未完の大器がまだ残っている。
米ドジャース専門メディア「ドジャース・ウェイ」は7日(同8日)、期限後のファームシステムを再評価。球団は2027年以降を見据えた重要戦力にほぼ手をつけず、期限最大の補強を成し遂げたと指摘した。ホープは一級品だが、同メディアが全米トップ100級の外野手を6人抱えると評するほど、組織内には逸材がひしめいている。
実際、ホスエ・デ・パウラ外野手(21)、マイク・シロタ外野手(23)、エドゥアルド・キンテロ外野手(20)という将来の中核候補は手元に残った。同メディアによれば、この3人は信頼できる報道の中で本格的なトレード交渉に名前が挙がることすらなかったという。ホープ放出後も再編された傘下トップ10は大きく崩れず、球界屈指の選手層を維持した。
これは単なる「金満補強」では片づけられない。豊富な資金力だけでなく、ドラフト、国際市場、育成で積み上げた分厚い土台があるからこそ、最高級の即戦力を取りながら未来も守れる。ワールドシリーズ2連覇中のドジャースは、2000年のヤンキース以来となる3連覇へ向けて最大級の勝負手を打ちながら、次代の「金の卵」までほぼ温存した。
スクバルを手に入れても、弾薬庫は空にならない。ライバル球団にとって本当に背筋が寒くなるのは、この〝高笑い〟が今季限りの話ではないことだろう。












