一体、なぜ巨人はこれほどしぶといのか――。橋上秀樹監督代行(60)が率いるチームは13日現在、首位・阪神に1ゲーム差の2位。首位から2・5ゲーム差の3位・ヤクルトを含め、三つどもえの優勝争いを繰り広げているが、大方の予想を覆す橋上巨人の戦いぶりに、球界内の有識者たちも首をかしげている。

 首位タイで迎えた阪神との直接対決(7~9日、東京ドーム)で巨人は1勝2敗と負け越し、2位に転落。それでも10日からのDeNA3連戦(横浜)では初戦を落とした後に連勝し、2勝1敗で勝ち越した。崖っぷちで踏みとどまり、虎の背中に食らいついている。

 しかも、チームを取り巻く状況は厳しさを増すばかりだ。今季完全復活を遂げたエース・戸郷は7日の阪神戦で走塁中に左太もも裏を痛め、肉離れと診断されて8日に登録抹消。長期離脱も覚悟しなければならない。ブルペンでも22ホールドを挙げていたセットアッパーの大勢が右ヒジの張りを訴え、12日に登録を外れた。

 投手陣の柱が相次いで離脱する緊急事態。橋上監督代行も終盤の継投について「今いるメンバーで、一番ベストな選択をしていく。ある程度、流動的になる」と語るほかなかった。

 それでも、橋上巨人は〝必死のパッチ〟で白星を拾い続ける。その戦いぶりには球界内から驚きの声が絶えない。ある球界OBは「今季の巨人は、なぜ強いのか。開幕前はお世辞にも戦力強化に成功したとは思えなかったが…」と本音を漏らしながらも、こう続けた。

「抜けた穴が岡本とグリフィンでしょう。普通ならBクラスに低迷していてもおかしくない。それを若手選手たちでよくカバーしている」

ブルージェイズで活躍中の岡本和真(ロイター)
ブルージェイズで活躍中の岡本和真(ロイター)
ナショナルズですでに10勝を挙げた前巨人のグリフィン(ロイター)
ナショナルズですでに10勝を挙げた前巨人のグリフィン(ロイター)

 不動の4番だった岡本は今季からブルージェイズへ移籍。前半戦終了時点で22本塁打を放ち、大谷(ドジャース)がエンゼルス時代の2018年に樹立した日本人選手のメジャー1年目最多記録に並んだ。グリフィンもナショナルズで4年ぶりにメジャー復帰し、19試合で10勝2敗、防御率2・77。自身初の球宴選出まで果たし、2人が残した穴の大きさは日に日に鮮明となっている。

 前出OBは「2人の活躍を見れば見るほど、巨人が粘り強く勝っているすごみを感じる。他のOBも口をそろえて『なんでなんだろう』と不思議がっている。シーズン後に、何が躍進の理由だったのか総括するのが楽しみ」とも続けた。

 前評判を覆し、総力戦で混セの主役に躍り出た巨人。このまま秋にリーグ優勝という〝大金星〟までつかみ、球界をさらに驚かせることができるか。