契約書にサインする前から、照準は〝絶対王者〟に定まっていた。パドレスが11日(日本時間12日)、フィラデルフィアで行われた2026年MLBドラフトの1巡目全体21位で指名したコールマン・ボースウィック投手(18)が、いきなり同地区の宿敵ドジャースへ宣戦布告した。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」が13日(日本時間同日)、新人離れした強気な発言として大きく取り上げている。

 フロリダ州サウスウォルトン高から指名された右腕は、家族や友人約50人が集まった同州サンタローザビーチの友人宅から電話会見に参加。「子供の頃からずっと夢見てきた。野球をするのが待ち遠しい」と喜びを口にした直後、いきなりギアを上げた。

「ドジャースを倒す準備はできている。それが僕の最大の目標だ。サンディエゴと聞くたびに『ドジャースを倒せるのはあそこだ』と思っていた」

 まだ入団契約も結んでいない18歳が、球界最強と目される軍団を名指ししたのだから穏やかではない。トラッシュトークとも受け取れる〝口撃〟だが、単なる大言壮語で片づけられないだけの実績も持つ。

 身長198センチ、体重116キロの大型右腕は高校最終年、65回2/3を投げて11勝0敗、防御率0・21、121奪三振。与四球はわずか7で、母校を初の州選手権制覇へ導き、フロリダ州のゲータレード年間最優秀選手に選ばれた。打者としても打率4割6分、9本塁打、34打点を記録した本格的な二刀流だった。

 勝負度胸はすでに国際舞台でも証明済みだ。昨年9月に沖縄で行われた「WBSC U-18W杯」では米国代表の投打の柱を担い、決勝の日本戦で3安打完封。米国を2―0の優勝へ導き、大会MVPにも輝いた。

 ただし、プロでの進路は投手一本。最速158キロの直球に鋭いスライダーを操り、チェンジアップも習得中だ。4球種を磨いて耐久性を備えれば、先発ローテーション上位を担い、まさにドジャース打線へぶつける存在となり得る。

 大口をたたくだけなら誰にでもできる。だが、ボースウィックには言葉を現実へ変えるだけの剛腕と胆力がある。数年後、本拠地ペトコ・パークのマウンドで王者をねじ伏せた時、この日の〝宣戦布告〟は伝説の第一声に変わるかもしれない。