決別のカウントダウンが、いよいよ現実味を帯びてきた。メッツの千賀滉大投手(33)を巡り、米メディア「ヘビー」は5日(日本時間6日)、球団が5年7500万ドル(約120億円)右腕との契約解消へ傾いているとの衝撃的な見方を報じた。単なる不振選手の処遇論ではない。同記事ではメッツ地元ニューヨークの放送局「SNY」のチェルシー・ジェーンズ記者の話として、球団側が千賀をDFA(事実上の戦力外)とし、残り契約を負担する可能性に言及したことを取り上げており、波紋を広げている。

 千賀は4月26日(日本時間27日)のロッキーズ戦で腰椎を痛め、2日後に負傷者リスト入り。今季は5試合で0勝4敗、防御率9・00、20回でWARはマイナス0・9と、先発陣の中でも厳しい数字が並んだ。復帰へ向けたマイナーでのリハビリ登板も3試合で12回、防御率5・25。3日(同4日)の3度目の調整登板は5回6安打3失点、2四球、5奪三振と一定の形はつくったが、メジャー復帰を即決させるほどの内容とは受け止められていない。

 今回の報道が踏み込んでいるのは、球団側の「我慢の限界」を金銭面まで含めて描いた点だ。ジェーンズ記者は、今すぐ千賀を切れば今季と来季に各1400万ドル(約22億4000万円)の残額負担が生じるため「安くはない」としながらも、メッツは財政的にはその代償を払える一方で、精神的には引き留める余裕がないかもしれないと指摘。千賀への忍耐は明らかに「限界に達している」とした。

 もちろん、メッツにとっても痛みは大きい。本来ならDFAで高額年俸を抱え込むより、トレードで放出するのが理想だ。だが、5年7500万ドルの契約を結んだ右腕は不振と故障を抱え、他球団が残り年俸を引き受けるハードルは高い。実際、放出話はここ数か月くすぶりながら、成立には至っていない。

 先発ローテーションの防御率も4・39と伸び切らず、チーム事情だけを見れば千賀の復活は必要なはずだ。それでも地元局記者が「もう一度、ラストチャンスを与える可能性は高い」としつつ、その機会を逃せば多くの猶予は残されていないとの見立てを示した意味は重い。

 既報の「戦力外危機」から一歩進み、今回の焦点は契約の着地点そのものへ移った。千賀に残された道は、事態が好転する可能性が限りなく低くなっているものの、次の登板で疑念をねじ伏せることだけになりつつある。