ブルージェイズの岡本和真内野手(29)がグラウンド内外で絶好調だ。11日(日本時間12日)まで10試合連続安打をマークし、渡米後の自身の最長記録を更新した。守備でも美技を連発しているが、巨人時代から周囲を困惑させ続けた真顔でボケる岡本流の〝芸風〟は異国の地でもジワジワと浸透中。かつてブルージェイズを抱腹絶倒させた大先輩のように「爆笑王」の座までかっさらうかもしれない。

 伝統球団を飛び出した岡本がMLB屈指の強豪チームで確固たる地位を築きつつある。連続安打だけでなく、出場した40試合で10本塁打はア・リーグ9位タイ。普段はおっとりしているが、三塁守備で見せる俊敏かつ華麗なプレーを含め、カナダのファンをすっかり魅了している。

 数々の新入団選手を間近で見てきた番記者も太鼓判だ。「MLB公式サイト」のキーガン・マシソン氏は「ブルージェイズ打線は岡本和真がいなければ完全に機能しなくなるだろう」「彼はこのチームで最も重要な選手かもしれない」と大絶賛。〝絶対戦力〟に位置づけられ、米メディア「スポーティング・ニュース」も「岡本は明らかに実力がある選手」と評し、本塁打王争いを演じる村上(ホワイトソックス)と比較し「岡本の方が完成度が高い選手とみられていた」と賛辞が止まらなかった。

2015年9月26日、初のお立ち台で「ジョニー・デップです」とあいさつした岡本和真。左は阿部慎之助、右は長野久義
2015年9月26日、初のお立ち台で「ジョニー・デップです」とあいさつした岡本和真。左は阿部慎之助、右は長野久義

 グラウンド内で放つ輝きが増すほど、必然的に注目されるのがキャラクターだ。プロ1年目の2015年9月に初めて東京ドームのお立ち台に上がり、ハツラツと「奈良県から来ました、ジョニー・デップです」と謎の自己紹介をしたことは、本人の中でも抹殺したい「黒歴史」となっているが、主力になるにつれて〝芸風〟は変化。真剣な表情で考え込んだかと思えば、誰も想像しないワードをボソッと口にするスタイルに変化し、今春の新天地でのキャンプでは「硬派で真面目な男前」と真顔で自己PRしてみせた。

 言語も文化も異なる現地記者たちを大いに戸惑わせたが、岡本が持つサービス精神と天性のギャグセンスは本格的に国境の壁も越えたようだ。

 今月1日(同2日)に敵地で行われたツインズ戦で惜しくも1試合3本塁打を逃し、やはり真顔で「今日はちょっと試合前、ケサディーヤを食べなかったので、その分(スタンドに)届かなかったのかな」と回答。好物だというメキシコ料理を食べなかったせいでパワー不足だったという意味合いで、現地記者から「HAHAHA」と笑いが漏れた。

 この渾身のひと言がいよいよ岡本のキャラを捉えたようだ。米メディア「ヤードバーカー」は「ホームランを打つためのエネルギー源として、試合前にケサディーヤを食べるという彼のユーモアは元ブルージェイズの川崎宗則をほうふつとさせる。彼はインタビューでバナナを食べることで筋肉のけいれん防止に役立つと話していた」と報じている。

 44歳となった現在も独立リーグ・BC栃木でプレーする川崎は13~15年にブルージェイズに在籍。欠場中に地元局から「けいれんから回復するためには?」と問われ「バナナ。猿は絶対にけいれんしない。猿は毎日2本食べる。今日? 3本。僕にはバナナが3本必要なんだ。なぜなら猿は絶対にけいれんしないから」と答えたことは語り草となっている。

 ケサディーヤの岡本か〝バナナマン〟の川崎か…。本業もさることながら、岡本がどこまで個性を爆発させるかも見ものとなりそうだ。