パ4位の日本ハムがシーズン序盤から、予想以上に苦しい戦いを強いられている。開幕前はリーグ優勝候補にも挙げられたが、開幕からソフトバンクに5連敗を喫するなど低迷。21日の楽天戦(エスコンフィールド)は3―1で勝利したものの、21試合を終えて10勝11敗の借金1と波に乗れていない。しかしながらチーム内は動じるどころか「泰然自若」となっており、むしろポジティブな雰囲気に包まれている。その理由とは――。

 日本ハムが苦戦する要因として大きいのは、21日現在でリーグワーストの防御率4・08に沈む投手陣と守備陣の乱れだ。特に守備面は深刻で、チーム失策数は21試合で早くも20。野手陣は計7失策の清宮幸を筆頭に連日、試合前から猛練習を続けているが、安定感を取り戻すにはなお時間を要しそうだ。

 ここまでくれば、周囲に不安が広がっても不思議ではない。ところが、ナインや球団関係者の間には意外にも「まだ大丈夫」と現状を悲観しすぎていない空気がある。理由の一つは、上位とのゲーム差が思ったほど開いていないことだ。日本ハムは4位ながら首位とはわずか2ゲーム差。〝投壊〟と〝守乱〟に苦しみながらも上位から離されていない状況が、選手の精神面にもプラスに働いている。ある野手は「あまりチーム状況が良くない中でも上位と差がないのはやっぱり気持ちが楽」と語り、こう続けた。

「まだシーズン序盤とはいえ、どこか1つのチームに独走されたりすると追う側は嫌な感じがします。でも、今年のパ・リーグはいい意味で混戦ですから。その辺りの気持ちの余裕はありますね」

 もたつきは、別の面では出場機会にも影響を及ぼしそうだ。今季の日本ハムは投打ともに戦力が充実し、状態のいい選手でも出番を得にくい状況が続いていた。だがチーム状況が悪化すれば選手の入れ替えも進み、控え選手にチャンスが回ってくる。「一、二軍の入れ替えによってチーム内が活性化しますし、一軍昇格を目指す二軍選手たちのモチベーションも高まりますから。この時期の苦戦は、むしろ出番の少ない選手のやる気を高める効果もある。悪いことばかりではない」(球団関係者)

 実際、この日の楽天戦前には19日の西武戦(エスコン)で負傷した水谷と吉田に代わって、二軍で打撃好調だった浅間とマルティネスが昇格。2人はそろって同日の試合で今季初安打を放ち、勝利に貢献した。こうした流れも、チーム内の楽観的な空気につながっているのだろう。

 新庄剛志監督(54)も試合後に「はっきり言ってスタートダッシュは失敗してますね」と認めつつ、「4月を5割で乗り越えたら全然(大丈夫)。まだまだ先は長いし(投打が)かみ合って来る時がくるから。そしたら45連勝ぐらいしたいと思います(笑い)」と前を向いた。

 成績は低迷気味でも、ベンチの空気は悪くない。周囲の不安をよそに、日本ハムは反攻へ向けて着実に歩を進めている。