DeNAが29日時点で27勝41敗2分けの借金14を抱え、セ・リーグ5位に低迷している。最下位の中日とも1・5ゲーム差でいつまでも続く梅雨空には、わずかな晴れ間すら現れてくれない。

 週末の夜に本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦は、G党が陣取ったビジターエリアだけが盛況な客入り。一方でベイ党が陣取る右翼席を中心とした他のエリアには埋まり切らない空席が広がった。昨季までは「入手困難」と言われたハマスタのチケット売り上げは、チーム成績の悪化に呼応するかのように鈍化してしまっている。

〝イベント路線〟という言葉に象徴されるように、DeNAはさまざまな角度から球場体験の提供を継続的に強化。特にイニング間や試合後のイベントの充実ぶりが奏功し、ライト層の拡充に成功していた。昨季は2024年に日本一に輝いた余熱にも助けられ、ハマスタ主催71試合で球団史上最多となる「236万0411人」を動員。ダイナミック・プライシングの導入などでチケット代も年々上昇していたが、グッズ販売なども含めて営業面では好調を持続していた。

 チームは22年から4年連続でAクラスを維持。四半世紀以上遠ざかるチャンピオンフラッグへのファンの渇望は、球場へ足を運ばせるための大きな動機づけとなっていた。だが、今季は前半戦終了前にもかかわらず、首位・巨人に10・5差と大きく離されたことが響いたのか、チケット販売が大苦戦。球団公式サイト「ベイチケ」でも残り主催試合はほぼ全戦が「〇空席あり」。「△残り僅か」となっているのは8月22日の阪神戦だけだ。

 負けが込んでも辛抱強く球場に足を運んでくれるコア層と異なり、球団側が熱心に開拓してきたライト層は今後も続くであろう「苦行の日々」にはシビアにソッポを向く。すでにSNS上には「野球がつまらない」「買っちゃったチケット雨で流れて払い戻しになればいいのに」といった辛辣な声もある。

 球団としてもチケット販売の苦戦を深刻に捉えているが、イベントも演出も価格戦略も勝利という根本的な商品価値の前では脇役にすぎない。空席を埋める最後の処方箋は、ユニホーム姿の男たちの手に委ねられている。