猛虎の主砲をめぐる米球界の見立てが、早くも割れ始めた。米紙「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者は13日(日本時間14日)、メッツが阪神の佐藤輝明内野手(27)をスカウトしており、今オフにポスティングされれば獲得を検討すると報じた。ヤンキース、ドジャース、フィリーズも関心を示しているという。

 昨季40本塁打で本塁打王に輝き、セ・リーグMVPを初受賞した佐藤は今季も猛打を継続。14日終了時点で打率3割1分7厘、76打点はリーグ1位、27本塁打は同2位につけ、3冠王も十分に狙える位置にいる。海の向こうから熱視線を浴びるのも当然の成績だ。

 そんな中、米メディア「ファンサイデッド」運営のメッツ専門サイト「ライジング・アップル」は、佐藤のメッツ入りに疑問符をつけた。「メッツと佐藤を結びつけるうわさがなぜあまり意味をなさないのか」と題し、「チームが必要としている問題を解決するものではない」と指摘した。

 理由は戦力構成とのミスマッチだ。同サイトはメッツの補強ポイントを一塁とみる一方、佐藤には一塁守備の経験がないと説明。外野での出場経験はあるが、一塁で起用するならコンバートが前提となる。左打者がそろう打線事情から右打者を加える方が理にかなうとの見方も示し、守備面や三振の多さにも懸念を向けた。

 もっとも、これは佐藤の打力を否定したものではない。3冠を狙えるほどの破壊力は認めつつ、「メッツが今必要とする選手像とは合わない」というのが同サイトの論旨だ。

 一方で、別の行き先として注目度を高めているのがドジャースだ。米メディア「ヘビー」は14日(同15日)、ヘイマン記者の情報を基にドジャースも佐藤に関心を示す球団の一つとしてクローズアップ。大谷、山本、佐々木ら日本人選手を相次いで獲得してきた近年の実績にも触れ、今オフもNPBのスター獲得競争に加わる可能性を伝えた。

 阪神が今オフ、佐藤のポスティングを認めるかは未定だけに現段階で移籍先を絞り込める状況ではない。ただ「メッツが狙う日本の大砲」という一本線だった話は、現地メディアの分析によって早くも枝分かれし始めた。3冠を射程にとらえる佐藤の行方は、この秋のMLB市場を騒がせる大きな火種になりそうだ。