4三振は〝異変〟の入り口にすぎなかった。ドジャースの大谷翔平投手(32)が2日(日本時間3日)、本拠地ドジャースタジアムでのカージナルス戦で4打数無安打4三振。チームも延長10回の末に6―8で敗れた。だが、試合結果そのもの以上に米国で波紋を広げているのが、大谷に向けられている容赦ない言葉だ。

 米メディア「カレッジ・スポーツ・ネットワーク」は一夜明けた3日(現地時間)、ファンから飛び出した「大谷翔平は完全に終わった」との痛烈な声を見出しに据え、4三振に沈んだ二刀流の現状をクローズアップした。 

 直近12試合で46打数6安打、打率1割3分0厘。本塁打も打点もなく、長いシーズンの終盤で大谷のバットが急速に湿っている。ただ、深刻なのは数字だけではない。大谷は左ヒザと右上腕二頭筋に不安を抱え、投手としては7月3日(同4日)を最後に登板していない。オールスター休み中には左ヒザに「潤滑剤注射」を受け、その後も投球再開を模索してきたが、8月末のブルペン投球後も「100%ではない」状態が続いている。 

 2日の試合前にはロバーツ監督が、今季中の投手復帰を断念することも「確かに選択肢の一つ」と認めた。そして敗戦後、事態はさらに重くなった。大谷は延長10回の打席で腕を振り、顔をしかめる場面があり、ロバーツ監督も「みんなが見たものを私も見た。スイングは彼本来のものではない」と懸念を隠さなかった。ここ数週間についても「彼らしくない」と認め、休養という選択は「理にかなっている」との認識も示した。3日(同4日)のシリーズ最終戦を前に大谷本人やトレーナー陣と話し合い、出場可否を判断する考えだ。現状においては負傷者リスト(IL)入りの可能性は低いとの見方が大勢を占めているとはいえ、もはや「出続けること」が最善とは言い切れない局面に入った。

 ドジャースは82勝57敗でナ・リーグ西地区首位を走る一方、これで8試合6敗。3連覇へ向かう9月に、最大の武器である二刀流がこのまま万全から遠ざかれば、チームの設計図そのものが揺らぐ。いずれにせよ「完全に終わった」は、あまりにも刺激的な言葉だ。だが、その酷評を笑い飛ばせるだけのユニコーンらしい一振りが見えない今、必要なのは「意地の強行出場」ではなく10月に本来の大谷を取り戻すための〝止まる勇気〟なのかもしれない。