白星は逃しても、首位の背中は遠のかなかった。2位・西武は1日のロッテ戦(ZOZOマリン)に0―1で敗れ、連勝は「3」でストップした。

 先発・平良は初回に1点を失ったものの、7回6安打1失点と好投。一方の打線はロッテ・高野の前に7回まで2安打に封じられ、試合を通じても3安打で零封負けを喫した。西口文也監督(53)も「平良も初回だけでしっかりと投げていたし、ピッチャーに関しては良かったと思います。後は打つほうがね…」と振り返るしかなかった。

 ただ、首位・ソフトバンクも同日の日本ハム戦で敗れたため、ゲーム差は「5」のまま。勝った3位・日本ハムには2ゲーム差まで迫られたものの、7年ぶりのリーグVへ逆転の望みはつながっている。何より西武は8月を16勝8敗と大きく勝ち越し、士気が落ちるどころか、勝負の9月へ勢いを持って入った。

 昨年は7、8月で計14勝29敗3分けと「借金15」。夏場の勝負どころで失速し、事実上V争いから脱落した。だが、西口政権2年目の今季は8月に見事なV字回復。昨年同時期はチーム防御率3点台だった投手陣も、今年8月はチーム防御率2・74。先発2・77、救援2・66と、ともに2点台をマークし、進撃の原動力となった。

西口監督(右)の脇で投手陣を支える豊田チーフコーチ
西口監督(右)の脇で投手陣を支える豊田チーフコーチ

 豊田清投手チーフコーチ(55)は「去年も今年も、調整や起用法は全く同じ」とした上で、あえて〝違う部分〟をこう説明した。

「何が変わったって、選手のハートが去年とは、違う。目標があるのと、ないのと。去年はこの時期にはチームの目標(優勝)が消えてしまったでしょ? 今年は交流戦で勝てる喜びをわかって、その後にガクンと来た。でもまだ、戦える位置にいる。それが、分かっているから選手も踏ん張ることができる」

 チームは今季、交流戦を14勝3敗1分けで球団史上初制覇。リーグ戦再開後に勢いを落とし、7月は9勝11敗1分け、月間防御率も4・05まで悪化した。それでも交流戦でつかんだ「勝てる」という成功体験が、苦しい時期を踏みとどまる力になったというわけだ。

 1日のロッテ戦は敗れても、投手陣はまたも最少失点に抑えた。2、3日は試合がなく、4日からは敵地で首位ソフトバンクとの3連戦(みずほペイペイ)を迎える。逆転Vの行方を大きく左右する大一番。投手陣の状態は王者にも引けを取らない。

 首位の背中を一気に引き寄せられるか。勝負の9月は、ここからが本番だ。