ゴールが見え始めた鷹に、思わぬブレーキがかかっている――。ソフトバンクは2日の日本ハム戦(エスコン)で延長回の末に1―1で引き分け、優勝へのマジックナンバーは「18」のまま足踏み。前日1日は1―2で逆転負けしており、連敗こそ免れたものの白星はつかめなかった。先発の上沢が8回7安打1失点、10奪三振と力投し、救援陣も無失点でつないだ。小久保裕紀監督(54)は「よく引き分けました」と投手陣の踏ん張りをたたえた。

 ただ、気掛かりなのは攻撃陣だ。この日はわずか2安打。今季は日本ハム戦でパ・リーグ最多の133得点を奪い、1試合平均6点を超える猛攻を見せてきたが、1、2日の2試合では計6安打2得点に封じ込まれた。しかも両試合とも2~4番が無安打。チーム内からも「全体的に打線がやや下降気味」との声が漏れる。

 小久保監督は「相手のピッチャーがよかったですよね」と責めることはなかった。それでも4日からは本拠地で2位・西武との直接対決3連戦が待つ。5ゲーム差で追う獅子にとっても逆転Vへ負けられない天王山。強力先発陣との対戦を前に、鷹打線は状態を上げたいところだ。

 マジックが点灯し、ゴールが見え始めたからこそ一戦、一打席の重みは増す。チーム内からは「どうしてもプレーが重たくなるところもある。もう一度、1打席に集中してできることをやる」と原点回帰を説く声も上がる。先を見すぎず、目の前の一球に集中するしかない。

 一方で、重圧から逃げる必要もない。指揮官は「9月に入って、プレッシャーがかかる打席ばかり。そこで打てばプロ野球選手として自信につながる」と野手陣を鼓舞した。

 残り23試合。Vへの重圧にのみ込まれるのか、それともはね返して成長の糧とするのか。鷹ナインに求められるのは、優勝を引き寄せる〝重圧の一打〟だ。