パ首位を快走するソフトバンクは30日のオリックス戦(京セラ)に6―3で快勝。2カード連続の勝ち越しを決め、優勝へのマジックナンバーを「19」に減らした。

 2回に川瀬の左前適時打で先制。3回は近藤、栗原、柳田の3連打で追加点を奪い、さらに川瀬、庄子の適時打でリードを広げた。先発の松本晴が6回2失点でキャリアハイを更新する9勝目。一時は2点差に詰め寄られたものの逃げ切り、貯金を再び今季最多の「30」とした。

 圧巻の試合運びの中で貴重な長距離砲としての存在価値を示したのが、試合後の小久保監督が「展開的に追加点を奪えていなかったので、あのホームランはチームにとって大きかった」とたたえた正木智也外野手(26)の一発だった。

 5―3で迎えた9回に飛び出したチーム7試合ぶりの22号ソロは相手の戦意をそぎ、自軍を勇気づけるアーチだった。26日のロッテ戦(ZOZOマリン)で初回に5点を先取するも追加点を奪えず、相手の追撃を食らって最後は延長10回サヨナラ負け。この1週間は序盤の速攻が光った一方、中盤以降の中押し、ダメ押しに欠けるゲームが続いただけに不穏な空気を一掃した。

 正木は右足蜂窩織炎のため開幕に出遅れたが、5月中旬から一軍戦列に戻ると「強打の1番」に定着。ここまで出場80試合ながら打率2割7分5厘、リーグ5位の22本塁打、49打点を記録し、メジャーでも超一流クラスの打球速度188・5キロを叩き出すなど潜在能力を発揮している。

 大砲を志し、強烈な弾道を放つため感覚を大事にしてきた。「このバットじゃないと、僕はダメなんです」。33・5インチ、890グラムのバットは、先端部分がくり抜かれている。重心が手元側に寄り、操作性が優れる利点が感覚にマッチし、プロ入り前からの〝相棒〟だ。

 今季からドジャース・大谷が併用し、ヤンキースの主砲・ジャッジらも愛用。名だたる長距離砲たちと通じる感性がある。球界でも希少な「右の大砲」。5年目の飛躍は止まらない。