ヤクルトの山野太一投手(27)が2日の阪神戦(神宮)に先発し、7回123球を投げて2安打9奪三振、2失点の好投。プロ5年目で初の2桁勝利となる10勝目(3敗)を挙げ、チームを5―3と勝利に導いた。
この日の試合前には石川雅規投手(46)が現役引退を表明。山野は「今日は何とか石川さんに勝利を届けられるように頑張りたい」と意気込んで臨んだ一戦で、思いをそのまま形にした。初回、2回を三者凡退。3回に2点を失ったが、その後は7回まで出塁を許さなかった。
山野は「(10勝目を)今日達成したというのは自分としては大きい。石川さんに〝これからのヤクルトを引っ張ってくれ〟と言われているような気がします」と〝恩師〟に思いを寄せ、池山監督は「よく抑えてくれました。10勝目にひと安心せず、これから先もずっと(チームを)支えてくれたらなと思います」と期待の大きさをにじませた。
今季の山野は「自分自身、全てがキャリアハイで未知の世界」と口にするように、これで自己最多の21試合目の登板。自己最多だった昨季の5勝を大きく塗り変え、白星を積み重ねてきた。
燕のエースへの道を切り開いたのは、投球能力だけではない。マウンドで揺るがない集中力と勝利への執念から生まれる貪欲さ。それでいて自分を過信しない謙虚さもある。そして重要な場面で先発を託され、結果を残す勝負運。静かで熱い相反する〝静熱〟こそが左腕を高みに押し上げている。
この日、今季初めてバッテリーを組んだ松本直も〝エースの資質〟を感じ取っており「彼は『僕はこうした方がいいと思う』と意思表示をしてくれる。自分のことがしっかり見えているというか、自分をちゃんと理解している。それに自信もついてきているはず」と証言した。
「入団当時の僕では考えられないところにきている。これからヤクルトを引っ張っていきたいなと思います」(山野)。石川から託された思いを胸に刻み、前へ進み続ける。













