ヤクルトの山野太一投手(27)が2日の阪神戦(神宮)に先発。7回123球の熱投で2安打2失点に抑え、今季10勝目を挙げた。自身初の2桁勝利を達成するとともに、この日、今季限りでの引退を表明した石川雅規投手(46)へ届ける白星にもなった。

 初回、三者連続三振に仕留めるなど、上々の立ち上がりを見せた山野。4点リードの3回には、四死球などで招いた二死満塁のピンチで森下に2点適時打を浴びたが、4回以降は走者を許さず無失点に抑えた。

石川雅規の引退会見に駆けつけ握手する山野太一。奥川恭伸、小川泰弘、高橋奎二も出席した
石川雅規の引退会見に駆けつけ握手する山野太一。奥川恭伸、小川泰弘、高橋奎二も出席した

 試合前には、先発登板を控えていたにもかかわらず、石川の引退記者会見に駆けつけた。「試合も大事ですけど、それ以上に、石川さんが残したものは僕たちには計りきれないものがあるので、感謝を直接伝えられてよかったです。石川さんへ恩返しの気持ちで今日はマウンドに上がりました」。この日は、石川が登場曲に使用していた安室奈美恵の「Just You and I」でマウンドへ。あふれる感謝と尊敬を示した。

 プロ1年目からコンディション不良に苦しみ、育成契約も経験した遅咲きの左腕は、石川の温かく、大きな背中を追い続けてきた。「3年前ぐらい。2回9失点とかそういう試合があった時に、石川さんが『そういう経験を経てみんな成長していくよ』ってすぐ連絡くれて。それが今も心に残ってます」と振り返り、声を震わせた。

「(10勝目を)今日達成したっていうのが自分にとって大きい。『これからのヤクルトを引っ張ってってくれ』っていうふうに石川さんに言われてるような気もします」と背筋を伸ばした山野。偉大な先輩から受け取ったバトンを胸に、新たな一歩を踏み出す。