走攻守で魅せた――。広島のサンドロ・ファビアン外野手(28)が5日の巨人戦(マツダ)で、バット、足、守備と持ち味を存分に発揮した。チームは延長11回の末に5―10で敗れたものの、攻守で何度も得点に絡み、守備でも大きな仕事を果たすなど、厳しい敗戦の中で存在感を放った。

 まずはバットと足で躍動した。1―1の3回一死一塁、佐藤啓に続いて中前打。中堅・鈴木大が打球を後逸する間に一走・佐藤啓が生還し、勝ち越し点につながった。ファビアン自身も一気に三塁まで進むと、続く坂倉の右犠飛で本塁へ激走。チーム3点目のホームを踏み、2点を奪った攻撃の中心となった。

 5回にも3―3の一死一、二塁で左前打を放ち、この日2本目の安打。二走・西川は本塁を狙ったもののタッチアウトとなり、勝ち越しには至らなかったが、再び好機で快音を響かせた。

 そして守備では、この日一番の見せ場をつくった。同点の6回無死、石塚が左翼へ放った大飛球をフェンス際でジャンプして〝ホームランキャッチ〟。捕らなければスタンドに入っていた打球をもぎ取り、石塚のプロ初本塁打を阻止した。勝ち越しを許しかねない一打をアウトに変え、マウンドの遠藤を救った。

 遠藤はその後、松本、鈴木大も打ち取り、この回を三者凡退で切り抜けた。ベンチに戻ると、ファビアンに向かって両手を合わせ、拝むようなしぐさ。好守に救われた右腕が感謝を表す、印象的な場面となった。

 チームは2連敗で最下位に転落し、自力でのCS進出の可能性も消滅した。それでもシーズンはまだ続く。厳しい結果となった一戦で示したファビアンの働きは、残り試合を戦っていくチームにとって明るい材料となった。