〝やり過ぎ補強〟が、今や王者の命綱だ。米メディア「ファンサイデッド」は6日(日本時間7日)、今夏のトレード期限から約1カ月を経た時点で「成功」と「失敗」の動きをそれぞれベスト5でランキング化。成功部門のトップに、ドジャースがタイガースから獲得したタリク・スクバル投手(29)を選出した。
今夏最大の目玉だった2年連続ア・リーグのサイ・ヤング賞左腕を、王者がまたさらう――。8月2日(同3日)に正式発表された大型トレードには当初、球界や他球団ファンから「またドジャースか」と反発が噴出した。今季終了後にFAとなるスクバルのために有望株3人を差し出したこともあり「そこまでして必要なのか」との見方もあった。
だが、1か月後の現在の景色はまるで違う。スクバルは移籍後6試合に先発して防御率3・03、WHIP1・18。2年連続サイ・ヤング賞投手としては圧倒的とまでは言えない数字ながら、同メディアは故障者が相次いだドジャース先発陣の「安定剤」として、その価値は強調してもしすぎることはないと絶賛した。
その評価を裏付けるように、ここへ来て先発事情は再び暗転している。大谷翔平投手(32)は左ヒザ、右上腕二頭筋、首に問題を抱え、直近では先発メンバーを外れる試合が続くなどコンディション面に不安を残している。投手としては7月3日(同4日)を最後に登板しておらず、今季中に再びマウンドへ戻れるかも不透明な状況だ。
佐々木朗希投手(24)も8月27日(同28日)、右手中指のマメで15日間の負傷者リスト(IL)入り。4日のブルペン投球では回復ぶりを示したとはいえ、現時点ではローテーションを離れている。
つまり、夏に「ぜいたく過ぎる」と見られたスクバル獲得は、結果的に先回りして崩壊を防ぐ一手になった。もし獲得を見送っていれば、大谷の投手復帰が見えず、佐々木まで離脱した今、先発陣は一気に壊滅寸前まで追い込まれていてもおかしくない。
3連覇を狙う10月に向け、同サイトが「ベスト1」に据えた理由は単なる成績ではない。一見すると余剰にも映る戦力を抱え込み、それが土壇場で生命線へ変わる。スクバルは〝過剰補強〟ではなく、王者が最悪の事態を避けるために打っていた先手だったと言えそうだ。











