ヤンキースがスクバル争奪戦で味わった〝敗北〟の余波が、思わぬ形で広がっている。ドジャースは2日(日本時間3日)に若手有望株3人を放出し、タイガースからスクバルを獲得したことを正式に発表。ワールドシリーズ3連覇を狙う王者が、ア・リーグのサイ・ヤング賞を2年連続で獲得した左腕まで手中に収めた。
今夏の市場ではヤンキースもスクバルを追っていると盛んに報じられた。それだけに米各メディアでは、豊富な有望株を抱えるドジャースに争奪戦で屈したとの論調が相次いでいる。米メディア「ヘビー」も「ニューヨーク、スクバル追跡で失敗」と伝えた。
ところが、当事者たちは意外なほど平然としている。アーロン・ブーン監督(53)は「驚きはしなかった。ここ数日、スクバルは獲得可能な状態に見えた。ドジャースのファーム組織を知っていれば、驚きはない」と淡々。資金力と育成資産を惜しみなく注ぎ込む宿敵についても「彼らはルールの中でやっている。自分たちのチームを良くしようとしているだけだ」と突き放した。
カム・シュリットラー投手(25)も意に介していない。今季10勝6敗、防御率2・04をマークする右腕は「ウチの先発ローテーションは素晴らしいと思う。ドジャースにとっては良かったんじゃないか。特に意見はないし、それほど気にしていない」と〝上から目線〟で強調。「万全なら、あのような打線や先発陣を相手にしても十分に勝てる可能性がある」とまで言い切った。
強者らしい自信の表れとも取れる。ただ「驚いていない」「気にしていない」と繰り返し、わざわざドジャースへの対抗心をにじませたことで、逆に「スクバルと王者を強烈に意識している証拠ではないか」との見方も招きそうだ。2年ぶりにワールドシリーズで再戦する可能性まで念頭に置いた発言だけに、単なる強がりか、本物の確信かは10月に答えが出る。
ヤンキースも手をこまねいていたわけではない。同日、ナショナルズからルイス・ガルシア・ジュニア内野手(26)を投手4人との交換で獲得した。今季は打率2割8分3厘、23本塁打、76打点、長打率5割6分を記録。低調な打線への即効薬として期待され、ブーン監督も「彼は打つよ」と歓迎した。
スクバルを加えたドジャースに対し、ヤンキースが最後に手にした切り札はガルシアだった。この補強策が「吉」と出れば、強気発言は揺るがぬ自信として称賛される。だが「凶」と出て10月にスクバルの前で屈するようなら「気にしていない」の連呼は、最大級の強がりとして蒸し返されることになりそうだ。













