〝ジーターの後継者〟は、いつしかブロンクスの「お荷物」に成り果てた。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は30日(日本時間同日)、今夏のトレード市場で放出要員とみられ、新天地へ移ればキャリアを蘇生させる可能性がある5選手を特集した。筆頭として厳しく取り上げたのが、ヤンキースのアンソニー・ボルピ内野手(25)だ。
ニュージャージー州でヤンキースファンとして育ったボルピは、2023年のメジャーデビュー時に球界トップ10級の有望株と評価された。名門の元主将デレク・ジーター氏(52)の後継者として大きな期待を背負い、打席での感覚、コンタクト能力、長打力を兼備した将来の柱になるはずだった。
ところが、メジャー4年目を迎えても打棒は一向に開花しない。500試合以上を消化した通算成績は打率2割2分5厘、出塁率2割8分8厘、長打率3割7分5厘。得点創出力を示すwRC+は86で、平均的な打者を14%下回る。守備面では一定の評価を得ながら、打線では期待を裏切り続けてきた。
今季は先発出場がわずか52試合にとどまり、カバレロに定位置を奪われた。ファンとの関係も悪化し、記事はボルピを「もはや不要な存在」とまで断じた。かつてジーターと比較された生え抜きの星が、今や戦力構想から外れた「お荷物」同然となった格好だ。
すでに有識者の間ではヤンキースがボルピを今夏の放出要員として扱い、環境を変える道を探っていると指摘する声も飛び交っている。このまま控えに置き続ければ価値は下がる一方。25歳という若さと、かつて高く評価された潜在能力を考えれば、交換要員として市場に出すには確かに今が一つのタイミングとなる。
残る4人も、それぞれ現所属先で行き場を失いつつある。タイガースのスペンサー・トルケルソン内野手(26)は2020年ドラフト全体1位ながら、今季108試合で打率2割1分、OPS・724、三振率31・9%と低迷。ただし長打力は健在で、新天地なら再覚醒の余地がある。
カブスのマット・ショー内野手(24)は2023年ドラフト1巡目の元大物有望株。今季56試合で打率2割4分6厘、4本塁打にとどまり、左手捻挫で負傷者リスト入りしている。ガーディアンズのボー・ネイラー捕手(26)は今季28試合で打率1割4分3厘、wRC+21と深刻な不振に陥り、3Aで立て直しを図っている。
ロッキーズのマイケル・ローレンゼン投手(34)も23試合で3勝9敗、防御率6・54。特に本拠地クアーズ・フィールドでは同8・34と打ち込まれており、実績ある元球宴投手には高地を離れることが最大の処方箋になりそうだ。
5人に共通するのは能力が枯れたというより、現在の球団で役割と居場所を失った点だ。中でもボルピは、期待が大きかった分だけ失望も深い。ヤンキースが今夏、本当に〝ジーター後継者〟を見切るのか。放出が決まれば、それは名門の失敗を認める決断であると同時に本人にとって再生への大きな好機となる。












