ヤンキースの遊撃問題が、再びブロンクスの不安材料として浮上している。19日(日本時間20日)のブルージェイズ戦は5―4で逃げ切り、30勝19敗。ア・リーグ東地区では首位レイズに3ゲーム差の2位につける。ただ名門の視線は勝敗だけでなく、レジェンドOBの「プリンス」ことデレク・ジーター氏(51)の後継者と期待されてきたアンソニー・ボルピ内野手(25)の現在地にも向けられている。
米メディア「ヤードバーカー」は、アーロン・ブーン監督(53)のボルピに関する称賛が、逆にヤンキースファンを不安にさせていると指摘した。チームは直前の9試合ロードで2勝7敗と失速し、同じニューヨークの低迷メッツにもカード負け越し。その流れを変えた18日(同19日)のブルージェイズ戦でボルピは4打数2安打、2盗塁をマークし、7―6の勝利に貢献した。
試合後、ブーン監督は「アンソニーは2つの塁をうまく取った。いい打席も増えている。ストライクゾーンもおおむねコントロールできている」と評価。ボルピは翌19日(同20日)も遊撃でフル出場し、4打数1安打。9回二死二、三塁では岡本和真内野手(29)のゴロをさばき、1点差勝利の最後を締めた。復帰後の成績も打率2割9分4厘、出塁率5割、長打率4割1分2厘、3打点、2得点、2盗塁と数字上は悪くない。
それでも不安が消えないのは、これまでの経緯があるからだ。ボルピは長く「次代の正遊撃手」として育成されてきたが、打撃の波、守備のミス、伸び切らない成長曲線が議論を呼んできた。今季も肩の手術明けで出遅れ、ホセ・カバレロ内野手(29)が守備面で存在感を示していた。前出のヤードバーカーは、カバレロ復帰後に簡単に職を返すべきではないとの見方を示している。
皮肉なのは、称賛そのものが疑念を呼ぶ点だ。ヤンキースは何年もボルピの可能性に賭けてきたが、その信頼が常に結果へ直結したわけではない。短期的な好調を「覚醒」と見るのか、それとも一時的な上昇と見るのか。ファンの温度差はそこにある。
19日(同20日)の勝利では、ライアン・マクマホン内野手(31)の4号同点3ラン、ベン・ライス内野手(27)の勝ち越し16号2ランが流れを変えた。首位レイズを追う戦いはまだ射程圏内にある。ただ、王座奪回を狙うチームにとって、遊撃の不安定さは見過ごせない。ブーン監督の称賛は希望であると同時に、ジーター氏の後継者問題がまだ決着していない現実も浮かび上がらせている。












