聖地の重圧を、若き左腕が歓喜の号砲に変えた。西武は16日の阪神戦(甲子園)に1―0で勝利し、球団史上初となる交流戦優勝を決めた。引き分け以上で初タイトルが決まる大一番。西口文也監督(53)率いるチームは敵地で虎を封じ込め、交流戦を14勝3敗1分け、勝率8割2分4厘で〝完走〟した。2005年に始まった交流戦で西武が頂点に立ったことで、パ・リーグ6球団すべてが交流戦優勝を経験。就任2年目の指揮官にとっても監督初タイトルとなった。
主役は武内夏暉投手(24)だった。初めての甲子園、しかも優勝が懸かるマウンド。立ち上がりから腕を振り、阪神打線を6回95球、3安打無四死球、10奪三振で無失点にねじ伏せた。初回は中野に左前打を許しても、森下、佐藤輝を連続三振。4回にはクリーンアップを3者連続三振に仕留め、虎党の大歓声を何度もため息に変えた。
左腕は打席でも仕事を果たした。0―0の5回、先頭の西川が中前打で出塁。続く武内は2ストライクと追い込まれながらも三塁線へ送りバントを決め、一死二塁をつくった。ここで桑原が阪神・才木の初球を中前へ運び、これが決勝点。西武は10安打を放ちながら、武内の犠打から生まれた最少得点を最後まで守り切った。
7回以降も獅子の継投は揺るがなかった。2番手のウィンゲンターは二死一、三塁のピンチで代打を二ゴロに仕留めて脱出。8回は篠原、9回は甲斐野がつなぎ、甲斐野は今季5セーブ目。阪神に5安打を許しながらも本塁を踏ませなかった。
試合後、武内は「試合前から緊迫した試合で緊張していたし、何とかチーム一丸となって勝てて本当にうれしい」と笑顔。チームメートからの重圧にも「みんなからプレッシャーをかけられて。でもそのおかげかなと思っている」と白い歯をのぞかせ、「目の前の打者を一人ひとり抑えることを徹底していた」と胸を張った。最後は「交流戦初優勝しました!」と力強く叫び、敵地の獅子党から大歓声を浴びた。
これで西武はシーズン通算41勝23敗2分け、貯金18。2位ソフトバンクに3・5ゲーム差をつけるパ首位の座も固めた。守って、つないで、1点を奪い、投手陣で逃げ切る。西口ライオンズの勝ち筋を凝縮した聖地の1勝は、交流戦初Vにとどまらず、シーズンの主役へ名乗りを上げる大きな勲章となった。












