好投しても、白星が遠い――。日本ハムは11日の西武戦(エスコンフィールド)に0―1で惜敗し、2位攻防戦の初戦を落として3位に転落。首位ソフトバンクとのゲーム差は8・5に広がった。そんな重い一戦で、またも報われなかったのが伊藤大海投手(28)だ。
プロ6年目のエース右腕は西武・平良と息詰まる投手戦を展開。6回まで無安打に封じ、7回まで1安打10奪三振無失点と圧倒した。だが、両軍無得点の8回、一死三塁から中前適時打を浴びて均衡を破られた。7回1/3を124球、3安打10奪三振1失点(自責0)の力投も、打線の援護に恵まれず今季7敗目を喫した。
これで6月19日のソフトバンク戦(エスコン)で8勝目を挙げて以降、7試合連続で白星なし。2年連続のパ・リーグ最多勝に加え、昨季は沢村賞にも輝いた右腕だけにもどかしい数字だ。
それでもチーム周辺から伊藤への不満や批判は聞こえてこない。むしろ「よくこの状況で勝ち星を先行させている」と同情する声すらある。理由の一つが、エースゆえの過酷なマッチアップだ。
伊藤は11日を含め今季、パ・リーグ球団相手に17試合へ登板。そのうち首位ソフトバンク戦が5試合、2位に浮上した西武戦が6試合と、実に11試合を上位2球団が占める。相手もエース級をぶつけてくるケースが多く、白星を積み重ねるのは容易ではない。しかも中6日のローテーションを維持すれば、今後約1か月も両球団との対戦が続く見込みだ。
伊藤は試合後、「(序盤から)ボール自体の精度はアバウトでしたけど、腕は強く振れていましたし、いいリズム、感覚はあったので。(この日の投球は)プラスではあった。でも(週の頭の)火曜日が(勝利を)取れていないので」と振り返った。さらにエース級との投げ合いが続く状況にも「そこは宿命というか、そこを打破していかないといけない。今後も同じようなマッチアップが続くので、何とか次でいい流れにしてチームの勝ちにつながるようにしたい」と気丈に前を向いた。
エースの宿命とも言える〝受難〟を乗り越えられるか。逆転優勝を目指すチームの浮沈も、その右腕にかかっている。












