ナルシストからエゴイストへ。新境地に至った全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(36)が快進撃を続けている。23日の大田区大会では前王者の強敵・斉藤ジュン(39)の挑戦を退け、V5に成功した。27日に誕生日を迎える中、勢いを増す〝アラフォー王者〟がそのエネルギーの秘訣を告白した。

難敵・斉藤ジュン(左)を再びねじ伏せた宮原健斗
難敵・斉藤ジュン(左)を再びねじ伏せた宮原健斗

 V5戦を前に全日本がSNSの公式ハッシュタグを「#DOOMの日」と決定するなど挑戦者に追い風が吹く中、王者は踏ん張りを見せた。この日のために用意した必殺技「逆DOOM」でジュンの顔面を蹴り抜くなど猛攻。最後はシャットダウンスープレックスで文句なしの3カウントを奪った。

 前王者のリベンジを許さなかった宮原は「この流れで強敵を突破できたから、うれしかったですね」と笑顔。そして、好調の秘訣を「正直、ビッグマッチに王者として挑めているっていうのが、リアルにモチベーションになっているんですよ」と告白する。

 昨年9月に7度目の3冠王座戴冠を果たし、防衛を続けてきた。過去の王者時代との違いを「前はほとんどの防衛戦が、後楽園ホールだったんですよ。全日本で今みたいな大きい渦は起こせていなかったので。それが今は大田区総合体育館だったり、国立代々木第二競技場に〝攻める〟状態で来れているんです」と説明。宮原はコロナ禍の時期など、後楽園で空席が目立つような時期もベルトを巻いて奮闘してきた。

 当時は「宮原健斗がメインじゃなくてもお客さんが来てくれる全日本を作るために、頑張っていたんです」と、団体の周知を最優先に設定していた。その成果もあって、次の段階に突入したと自負し「今は自分のため、自分を応援する人のために戦ってるんです。だから、エゴの部分を解放できている」と力説した。

エースとして全日本を牽引する覚悟は十二分の宮原健斗
エースとして全日本を牽引する覚悟は十二分の宮原健斗

 この日、大田区大会の観客は2237人。満員には及ばなかった。それでも宮原は「ナルシストからエゴイストになる? そういうことですよ。だからこそ、言いたいことも言って波風も起こせるし」と拳を握った。自らを解放することが、より大規模の会場を満員にすることにつながると信じている。

 そんな宮原は「今言いたいこと」を問われると「プロレス界を見渡した時、僕と同世代の選手が、下の世代と向き合って〝世代闘争〟をやってない気がするんですよ。でも、僕は世代闘争から逃げません。見ててください」と誓った。波風立てるエゴイスト王者は、王道を次なるステージに導くことができるか。