【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(23)】2001年に入ると、今までよりも、さらに体格の大きい選手とのマッチメークが増えていきました。もちろん、しんどかったですけど、同時に「デカいヤツからギブアップを取ったらおいしいじゃん」っていう気持ちもありました。

シウバ(左)のサッカーボールキックを被弾(01年3月)
シウバ(左)のサッカーボールキックを被弾(01年3月)

 その初戦は3月25日の「PRIDE.13」でのヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)戦です。シウバは日頃から「桜庭! かかってこい」と挑発していたんです。グレイシーとか同じブラジル人が僕に負けてたから〝取り返してやる〝的な感情があったんでしょうけど「口で格闘技やるわけじゃねえよ」って。選手として人を尊敬しながらやんないとダメだよなという気持ちもありました。

 そんな状況もあって試合では感情的になっていましたね。ゴング前ににらんできて、目を見たらムカついちゃうから見ないようにしたんですが、いざ始まったら「コノヤロー!」ってなっちゃいました。その打撃戦の中、一瞬シウバの首を取れそうだったんです。だけど、考えている間にくっつかれてしまって。その後、お客さんが盛り上がっていたから〝これはもう殴りにいくしかねえな〟と思いました。

 結果は亀の体勢からあおむけになろうとしたところで顔面を蹴られてレフェリーストップ、TKO負け。僕の中では意識が飛んではいなかったので、セコンドに「止めるの早くない? まだ大丈夫なんだけど」って。でも血が出て顔も腫れてるじゃないですか。〝この見た目じゃ仕方ないな〟って感じでした。

 この次が7月29日の「PRIDE.15」のクイントン〝ランペイジ〟ジャクソン(米国)戦でしたか…。完全にヘビー級ですよ、もう(苦笑)。でも確か、ランペイジは少し体重を落としてくれたんです。試合も動き的に面白い戦いができたと思います。

 ランペイジはとにかく持ち上げるのがうまかった。三角絞めを仕掛けたらパワーボムの形でリフトアップされたんです。その時、一瞬ロープの外側に体が出て「このまま場外に落ちたら絶対面白いな」って。残念ながら三角に組んだ脚が外れなかった。そしたらランペイジがそのままズルッて手前に引いてリングに落としたんです。だから優しいなって。でも、やっぱり場外に転落した方が面白かったですよね。

ジャクソン(上)に落とされそうな桜庭(01年7月)
ジャクソン(上)に落とされそうな桜庭(01年7月)

 そんな調子だからアームロックもパワーで外されちゃって「このバケモノ、どうやって決めるんだよ」って思いました。それで足関節を狙いにいくフェイントをかけてバックを取って勝つことができました(※)。重量級との戦いはきついけど、ギブアップを取れたから良かったです。「もう1回やれ」って言われたら絶対やらないですけどね(笑い)。

 ※1ラウンド5分41秒スリーパーホールドで桜庭の勝利

 

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